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カテゴリー「ゴジラ・怪獣・特撮」の68件の記事

2015年5月 6日 (水)

「大映特撮映画DVDコレクション」第8号「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」 イリスにつながる?元祖ダーク系ガメラ映画

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昭和ガメラシリーズ唯一の、「大人向け」作品といわれています。要は子供が出てこないよ、という理由なんですが、それ以上にドロドロした欲望にまかせた残忍ですらある人間模様が真因ではないかと思います。そのダークさは、どこか平成第3作目に通じるような・・・




「大怪獣ガメラ」の成功を受けて、大映的には最大級の予算と製作陣を投入し、京都チームの大傑作「大魔神」とともに1966年(昭和41年)ゴールデンウイーク作品として大ヒットを記録した、大映映画史に燦然と輝く傑作!であるわりには、「昭和ガメラの中では異色作」とされて、「対ギャオス」など「子どもの味方だガメラ!系」に比べると扱いの地味な映画、という印象が、なんとなく付いて回ります。



とはいえ、個人的には大のお気に入りの映画。そのお気に入り理由の背骨の部分は、まさに「大人向けだぜ子どもなんか出る幕ないぜ!」と見事な程に割り切った、いわゆる本編部分のダークなストーリー展開によります。言ってしまえばガメラすら完全に脇役。主役はまさに「人間の醜い欲望と浅ましさ、罪と罰」だと思うのです。バルゴン自体も、見ようによってはそんな醜い大人たちの欲望の化身、ととらえることもできます。冒頭の小悪党たちの怪しげな顔合わせシーンから、危ない展開への期待と不安でいっぱいになります。もちろんこの時代の映画ですから、現代の作品ほど「リアリズム」に徹した生々しい表現ではないのですが、それでも小悪党たちそれぞれが、それぞれの欲望に操られてビビりながらも残忍に仲間を裏切ったり傷つけあってゆく様は、正直怪獣よりよほど恐ろしく感じちゃったりしますね。



というわけで、どんなにガメラが頑張っても、それ以前に「子供がよろこぶ作品」を作ろう、という姿勢が感じられない(というか、子どもに見せられないでしょw)という時点で、「この作品とその他」みたいな評価となっても仕方ないとは思います。自分はそこが好きなので文句ないのですが、ただ今回改めてじっくり観直してちょっと思ったことは、逆に本編がダークな犯罪ドラマにこだわり過ぎたために、本来の「怪獣映画」としての部分、つまり怪獣同士の対決シーンや人間対怪獣の叡智を尽くした戦いのシーンと、ドロドロ人間模様の折り合いが、記憶の印象ほど良くないな、と。



よく言えば二重三重のドラマ展開を、要所要所でうまく関連付けて、上手にまとめあげているともいえます。ただ逆に、もともと関連の薄い出来事を無理やりつなぎ合わせてゆくために、どうもそれぞれの設定に無理が出ているように感じられるわけです。



例えば本郷功次郎さん演じる主人公が、改心したとはいえ事件の原因を引き起こした犯人一味であるにもかかわらず対策本部の中心人物として迎えられ活躍する(つまり人間ドラマの設定を無理やり「対怪獣作戦」にリンクさせた?)とか、南国生まれの怪獣が冷凍光線を吐くとか入水すると皮膚が溶けるとか(つまりガメラの「火」に対する「氷」の対比の方を本編の「南国発の事件」という設定より重視した?)、大きい流れとして漠然と見ている分にはまあそんなものかなと思う事でも、ちょっと疑問がわくとそこらじゅうから不協和音が聞こえてくるような、危ないバランスの上で成立している映画、という気がしてきました。これってひょっとして、「万全を期して」わざわざ本編(田中監督)と特撮(湯浅監督)を分けた制作体制を敷いたことが一因としたらちょっと複雑ですね。チームワーク何より大事な特撮映画だと思いますので。



で、それに気づいた時にふと頭に浮かんだのが平成第3作、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」です。あの作品も、自分的には重層的で複雑なそのテーマ構成ゆえに、「凄い出来だがダークで何かスッキリしない映画」という評価です。必要以上の陰惨さの表現だの、「憎しみの化身」というイリスの存在理由だの、日中洋の古代伝説の相関だの、要は言いたい事が多すぎて、一本の映画として分かりにくいんですね。さてこちらはチームワークどうだったんでしょう?実は手持ちの当時パンフレットの記事からは、他の平成2作に比べると監督・特技監督・脚本家のトライアングルがほんの少しだけまとまらない雰囲気をインタビューの行間から感じてましたがはたして・・・ 怪獣映画は、基本的にはシンプルに「怪獣パニックエンタメ」として楽しめるという事が背骨、あとは味付け、と割り切って作って頂いた方が観る側は分かりやすい。などと上目線で考えてしまった感想文でした。





とはいえこの「対バルゴン」、大好きな作品であることに変わりはありませんけどね。それで十分!「大人ガメラ」復活期待に1票です!

2015年4月25日 (土)

「大映特撮映画DVDコレクション」第6号「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」 これぞガメラ!やっぱり一番面白い!

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もう半年近く前に入手したのですが諸般の事情でブログどころではなくて・・・ようやく感想文再開という所です。大映特撮シリーズも平成3部作は持っているのでパス。昭和ガメラの中でもギャオスとバルゴンは、はずすわけにはいきませんねぇ。面白!



昭和ガメラシリーズの第3作として昭和42年公開の「ガメラ対ギャオス」は、子どもの頃から何度かTVで観ております。自分的には、なぜか観るたびに「いいね」が増えてゆく、スルメな印象の作品ですね。記憶を紐解くに、多分10代の頃最初に観たときはちゃちな特撮に感じて、子どもに媚びた流れも含め、映画としては今一つと思ったかな。ただ、「ギャオス」のデザインや存在感には強烈な印象を受けました。慣れ親しんだ円谷&東宝ラインの怪獣デザインとは発想もセンスもまるで違うのに、驚きの「完成度」を感じたわけで。



ただ、若い頃は怪獣対決、若しくはVS人間の戦闘シーンしかあまり記憶になかったのが正直なところ。人間ドラマや高度成長にともなう開発是非などの社会性については、派手な戦闘シーンに目を奪われて、ほとんど記憶に残っていませんでした。それが自分の成長とともに(笑)段々とね、そういう部分も少しずつ見えてきたような気がするわけで。特に今回はじっくりと観たせいもあり、予想以上に骨太の映画だと思えてきたわけです。「意外と子供向けべったりじゃ無い!」とw



まさに高度成長期の象徴とも言える高速道路建設チームと地元地権者の対立が、大人でも結構見ごたえのある「社会性」を持たせていてドラマに深みを与えています。とはいえどちらが良い悪いではなくそれぞれの立場があって難しい問題なんだという事を、子どもにも分かりやすい形で、ダークになり過ぎない品格のある表現で提示しているところがこの時代らしい良さですね。東宝にしろ大映にしろ、特撮・怪獣映画系でこういう社会性のある問題の取り上げ方、描き方は様々ですがね。ガメラ系ではこの他「ジグラ」が公害問題を背骨にしていましたが、東宝ではもちろん戦争のメタファー「初代ゴジラ」、そしてなんといっても公害直球勝負の「ヘドラ」ですよね。この映画はそこまでではないにしろ、比較的しっかりと描きこんでいると思いました。



とはいえ、自分も子どもの頃、あまりそんな堅苦しい点が頭に入ってこなかったように、この映画の真骨頂は恐らくシリーズ最高レベルの「エンタティメント性」だと思います。二大怪獣の数次にわたる対決シーンの、戦闘バリエーションの豊富さもさることながら、次から次へと繰り出される人間側の珍案奇案の数々、ちりばめられた「マンガ的」とも言える楽しく手に汗握るアクションシーンや破壊の表現法など、お客さんを楽しませるためにとことん工夫に工夫を重ねたその努力と真摯な姿勢が、とても気持ち良い感覚で伝わってきます。



その中でも、ギャオスの必殺奥技「超音波メス」にまつわるシーンは傑作揃い。有名な「カローラ真っ二つ」をはじめ、調査隊ヘリにしろF104にしろ、「マンガか!」というくらい気持ち良くスパスパ切ってくれますw 挙句は自分の足までチョンパして逃げたり、ラスト近く空に向け断末魔の途切れ途切れの光を放つシーンなど、本当に良く考えられていますね。この断末魔の光は、平成第一作でもリスペクトされていました。



ギャオスのデザインと設定も本当に素晴らしい。前作の「バルゴン」はトカゲ系の為四足歩行で、ガメラもこの頃は四足のシーンが多かったので大阪城のシーンなどキャラかぶりが感じられましたがギャオスは明確に二足歩行に割り切ったデザイン。丸いガメラと三角形基調のギャオス、円の動きのガメラと直線的に動くギャオスというように、徹底した差別化がなされており、しかも「水と太陽に弱い」という弱点がはっきりと提示されることで、非常に分かりやすく物語を追って行けます。そして何より純粋に「カッコいい!」



必殺技もバルゴンの時は熱帯育ちなのになぜ「冷凍光線?」とか、なんで背中のツノから明後日の方角に虹色のしかも破壊光線が出るの?とか、怪獣デザインと技のリンクが弱いのが気になりましたが、本作はそのあたりは本当に良く整理されています。特に背骨が2本になっている設定は秀逸で、ここから「超音波メス」の理由づけがなされますし、後ろを向けない弱点や、挙句は恐竜などの通常の生物とは違う「怪獣類」なんていう分類までつじつま合わせが出来ています。怪獣設定の教科書みたいですね。



全体にチープ目の特撮が今も昔も気になる所ですが、一方でこれほどまでにアイデアに溢れた怪獣映画もあまりないと思います。じっくり見れば見るほど新しい発見があり、楽しみが増えてゆく素敵な作品だと思います。エンタメ系「怪獣映画」として屈指の傑作であり、後世に語り継がれるべき素敵な作品だと再確認しました。そして昭和ガメラの中では、「最高傑作」と言い切って良いのではないかと思います!!!





とか偉そうに言ってますけど、まだ観てないのもあるんですよね(汗)・・・正直子供向け度数上がりすぎると苦手度数も上がるわけで。バルゴンはともかく、そのほかはどうしようかな・・・・


2014年9月26日 (金)

「大映特撮映画DVDコレクション」第2号「大魔神」 大傑作!でも彼は果たして怪獣か?

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大映の怪獣映画といえば、「ガメラ」シリーズと「大魔神」三部作が双璧、という事になっています。本作は三部作の一作目にして、今でも傑作の名を欲しいままにする優れた作品であります。大映スゲー!ってわけですが、でもこれって「怪獣映画」と呼ぶのは正しいの?



大映東京撮影所による1965年の「大怪獣ガメラ」の大成功により、大映京都が触発されて?お得意の時代劇を生かした「怪獣映画」の企画を立案。元ネタはゴジラ系でなく、チェコスロバキアの!1936年のモンスタームービー「巨人ゴーレム」だそうです。実はこの「ゴーレム」、DVDをなぜか持っているんですけど、20分位でもういいやと思ってしまいまだ最後まで観ていないという代物ですw したがって、「土くれの巨人像に魂が宿る」という基本的アイデアはともかく、作品のレベル的にはもう全く別物と言えるとは思います。



この作品自体は子どもの頃からテレビの映画劇場で何回か見ておりまして、なかなかの傑作、特にクライマックスの「討ち入り」・・・もとい、魔人が城に攻め入ってくるあたりの迫力と特撮の質の高さは、ひょっとして東宝以上(もちろん?ガメラ以上)では?という印象を持っておりました。今回もその印象は変わらず、むしろディアゴスティーニさんの東宝ゴジラシリーズをすべて鑑賞した後の目で見ても、本当に高いレベルであると再認識致しました。



理由は主に2つ。一つ目は合成シーンの仕上がりの自然さです。例えば魔人の山で大魔神が封印の岩を崩して出てくるシーンは、画面右手の大魔神と左手の主人公の動きと色調のマッチングが(スケール感は怪しいものの)とても自然です。そして何より山城に攻め入った後の、兵士たちとの戦闘シーンでの合成は本当に見事と思います。付属のブックによるとブルーバック合成に大映開発による当時の最新手法を投入したという事ですが、この出来栄えは東宝を超えていると言っても言い過ぎではない気がします。



もう一つは特撮セットのリアル感です。「大魔神」の怪獣映画としては小柄(笑)な身長設定がもたらした特撮セットの寸法が、ブックによると1/2.5という事で、これがリアルな作り込みに非常に貢献しているようです。瓦1枚1枚に至るまで再現したようですが、何より山城の建物の倒れ方が、確かに日本建築ってこのように倒れるよね、といちいち納得させられてしまいます。さらに折れた柱の断面とかとにかく細かい所までリアリティのある作り込みがされています。東宝作品ですごいと思ったのは「ラドン」の北九州のセットや「モスラ」の渋谷界隈、「サンダ対ガイラ」のL作戦の山中や漁村などいろいろありますが、一歩も引けを取らないどころか凌駕するほどのリアリティがあります。それもこれも、この1/2.5という「もう少しで等倍のセット」という設定が大きく貢献しているようです。




本編部はもうね、もろに「全盛期の時代劇映画」そのものですね。セットの感じとか、殺陣の感じとか、古典的だが品格のある、「木枯らし紋次郎」以前の?時代劇映画そのものという感じです。でもさすがに大映京都?カメラワークが本当に綺麗ですし、画面の構図も今見てもそれほど古さを感じない、アート的にも納得のゆく高いレベルのものだと思います。役者さんの演技も皆さんなかなかいいですね。修羅場でも顔にあえて汚しメイクをせずに綺麗な化粧とするのも大映的な品格、という事のようです。乙女の涙でチリと消える・・・なんて設定も、当時的リリシズムで素敵ですよね。それにしてもスゴイのは、本編だけ見るとフツーの時代劇の作りなのに、荒唐無稽な大魔神登場の特撮パートと何の違和感もなく溶け込んで、一本の映画として見事にまとまっている事ですね。企画、脚本、演出、編集のすべてがいかに練りこまれていたか、本当に感心してしまいます。




という訳で、心から「大傑作」と思える「大魔神」なんですが、ただ一つ引っかかるのは、果たしてこの映画は「怪獣映画」なのか?また大魔神は「怪獣」なのかという、超基本的な設定上の問題についてです。Wikiの「怪獣」項を読んでも、大魔神のようなタイプについてはあまりピッタリな説明が無いようです。日本的自然信仰の神ですが少なくとも東宝のバランのような「獣」ではないですし、「怪人」も違う気がする。「タイタンの戦い」に出てくるような「巨人」とか「巨神」とかが近い気はしますが、彼らを「怪獣」のくくりで語るのはどうなんでしょうか。どーでもいいじゃん、という声が聞こえてきそうですが、あえてこだわるのは、当時この作品は人気赤丸急上昇の「怪獣映画」のジャンルに区分けされて、「ウルトラQ」だのゴジラだの(もちろんガメラも)といっしょくたに、「怪獣ブーム」の一翼を担っていたような記述がDVD付属のブックにあったためです。




当時の風潮をかんがみ、商売上の区分けをしたら、とりあえず「怪獣映画」として売り出すのが賢明だったのでしょう。あの東宝の「宇宙大怪獣ドゴラ」なんてのも、怪獣というよりは「SF映画」と言った方が座りは良いのにあえて「怪獣映画」として売り出して、結局「?」の評価を頂いてしまったように、ブームというのは「こうあるべき」を超えることがあるんだなと再認識した、他に類のない「特撮ファンタジー時代劇映画」であるのかな、というのが今回の結論ですかね。




でも「キワモノ」と言わせない完成度の高さが素敵です!この孤高さが、本当に本当に、素敵な作品です! 

2014年9月13日 (土)

「大映特撮映画DVDコレクション」第1号「大怪獣ガメラ」 記念すべき第1作は大映魂の宝箱

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「大映版」は無理かなと思っていたら、やってくれましたディアゴスティーニさん!全46巻の予定だそうで、また当分楽しめそうです!第1巻はこれしかないでしょ!の、ガメラシリーズ第1作。東宝ゴジラとは一味違う独特の映像世界を確かに確認できました。





以前にも書きましたが、ガメラシリーズは東宝ゴジラに遅れる事約10年のスタートで、確かに独自のアイデアに溢れてはいるものの、第1作が単独で東京、第2作が敵役の四足と大阪城で対決、というように、パクリとは言いませんがなぜか先輩の足跡をたどるようなスタートをしています。しかもガメラ第1作公開時点でゴジラは6作目の「怪獣大戦争」(シェーのやつね)で、とっくの昔にカラー&ワイドスクリーンとなっているわけですが、ガメラはなぜか白黒映画でのスタートです。このあたりのいきさつはWikiに少し書かれているようですが、理由がなんであれ、とても疑問に感じる所です。



とはいえ、やはりモノクロームは「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」がそうであったように特撮のアラ隠しとホラーな雰囲気づくりには確かに効果的で、本作でも良い味につながっているようです。今回観直してみて、改めて結構重厚な画面の雰囲気となかなかスムーズな特撮と実写の合成に感心しました。特に自衛隊の作戦行動や逃げる人々のシーンと特撮シーンのつながりはとても自然でリズミカルでさえあり、むしろ東宝をしのいでいるようにも感じました。



特撮の技術面でも予想以上に健闘している感じで、全編迫力があります。東宝の大作に比べるとビルなどのセットがややチープとか、北極で登場時に氷が噴き出すシーンが不自然な表現に感じるなど、こなれてない部分が散見されて、この辺りは円谷東宝組に一日の長を認めざるを得ないかなと思います。それでも火炎放射やコンビナートの爆発シーンは大迫力ですし、特に地熱発電所のシーンはカット割りや構図も含めて、見事な出来と称賛して良いものと思います。




本編の演出もなかなか軽妙で、「ゴーゴー喫茶」?のやりとりや飛行機の中で煙草を普通に吸っているシーンなど当時の風俗がとても自然に物語の中で生きている感じが好感度高しです。主人公の科学者のセリフ回しでも、東宝ならさしずめ「・・・だと良いのだがね」と格好つけた感じになるところを、「・・・だといいんだけど」的な庶民的な感じになっているところが新鮮で親しみやすいですね。



昭和ガメラシリーズのもう一つのお楽しみは「知恵比べ」と思います。本作にしろ「対バルゴン」「対ギャオス」にしろ、人間側(主に学者先生)と怪獣の丁々発止の「知恵比べ」が実に面白く、作品にリズムと緊張感を与えていると思います。背骨のひとつといっても良いと思いますね。本作でも、人間側は超高圧電流から始まって冷凍爆弾、さかさまにひっくり返して餓死作戦、重油を満載したタンク車をぶつけて時間稼ぎをしたり、海上に火の帯を作って大島までガメラを誘導したりと、あの手この手と次々に「なんじゃこれ」寸前の面白アイデアをそれは生真面目に実行してゆきます。で、「なんじゃこれ」と思っても、けっこう食いついて見入っちゃうんですよね。その度にガメラがその作戦を上回るパフォーマンスを発揮するわけです。特に餓死作戦の時は実に効果的に「回転ジェット」を初披露して窮地を切り抜け、人間側を思いっきり出し抜くわけですが、このシーンの演出は本当に見事だと思います。



そんなわけで全体としてはなかなか面白くてよく出来た怪獣映画と思うのですが、引っかかる点も正直いくつかあります。基本的なところでは、初代「ゴジラ」のような「存在自体の重み」というものは、まあまったく感じられないなという点ですかね。東京大空襲と原水爆の恐怖の暗喩(というかそのもの)であった初代ゴジラに対して、北極でアトランティスで石の波文様程度では、いくらエスキモーの長老が怪しい発音の英語で恐怖の伝承を力説しても、日本人に「生まれいずる悩み」は伝わりませんねぇ。もっともこの映画が製作されている頃にはゴジラ様だって初心はどこに行きにけりかなという感じでしたので、これはこれでアリとは言えるんでしょうけどね。



2つめの疑問は主人公の子どもの態度です。カメが大好きで大好きで、ガメラに命を救われたこともあり自身の飼っていた子亀の生まれ代わりのようにガメラを慕って、どんな危険も顧みずに行動し(まあ、勇気というより無分別ですが・・・)大人たちにガメラへの攻撃をやめるよう懇願します。正直かわいい坊やというにはちょっとこまっしゃくれたお子さんですがそれはともかくとして、この子の真摯な態度と行動に観客の子供たちは自己を投影して、ガメラを好きになっていったのでしょうね。ところが大島にたどり着き、「Zプラン」の最新の科学設備を見たとたん、この子は「寝返る」わけです(笑)「ぼく、ここ気に入ってるんだ」とはしゃいで、笑顔で火星に向け追放されるガメラの乗ったロケットを見送るわけです。彼の「気持ち」についてはいろいろ好意的な解釈は出来るんでしょうけど、自分には何度観ても納得いかないシーンですね。トイストーリーではないですが、新しいおもちゃに夢中になって忘れられたウッディが本作のガメラ、というのはひねくれた大人の突っ込みでしょうか。当時の子供たちはどのように感じたのか、ぜひ聞いて見たいところです。



Zプランといえば、結構リアル系の怪獣パニック映画として描かれた本作のエンディングとしては、ちょっと座りが悪く感じるのは私だけですかね。いきなり当時の最新SFレベルの、例えばサンダーバード秘密基地みたいな施設が都合よく大島に建設中、なんてね。表現としてガメラを殺したりしたくなかったでしょうし、東宝ゴジラなんてすでに宇宙人や円盤がバンバン登場していた時代ですから、当時としては意外に不自然な流れではなかったのかもしれませんが、今となって単純に一本の作品のまとまりとしてみた場合、なんとなく唐突な終わり方と自分には感じられました。少年の不自然な寝返りも含めてね。このせいか、なんか後味がスッキリしないところが残るわけで・・・





という訳で、例によって勝手な感想を書きましたが、興行的にも大成功で、思惑通りゴジラのライバルとして成長してゆく人気シリーズの第1作として、やはりそれだけの価値ある映画であると再認識しました。今まで思っていた以上に、面白かったです今回。Zプランのくだりをのぞけば、という所はありますが、本編演出、特撮ともに、大映さすがですねという事を再認識できました!さて第2号は「大魔神」。本当に楽しみです!「ギャオス」と「バルゴン」もね!

2013年1月28日 (月)

「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 デジタルリマスター版」 凄いけど欲張り過ぎた?完結しない完結編

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「年末アマゾンポチッと最終章」はかなり難物です。劇場で観たときも消化不良感が残りました。今回観直しても同様。凄い作品とは思いますけど、観ていてあまり楽しくないのも正直な気持ち。一作ごとに複雑で重暗くなってゆく演出タッチについて行きかねる所がね。

 
 
 
 

とにかくスゴイ怪獣映画である、とは思いますね。特に特撮の技術とその画面への活かし方については、現在までを含めても最高水準の一つと言っても良いのではないかと思います。そりゃ現代の方がCGを中心にSFXは格段に進歩しているのでしょうけど、結局は何をどう見せるかというアイデアと工夫次第、という事が良くわかります。渋谷崩壊をはじめとした各見せ場は今見てもほとんど粗を感じさせない見事な演出と作りこみがなされていて、これだけでも本作が怪獣映画史に燦然と輝く重要作品と言えると思います。これに比べれば第一作の特撮は牧歌的にすら感じてしまいます。

 
 
 

ところがその素晴らしき技術を生かして描き出されたものはやたらと陰惨な光景ばかり!特に「渋谷崩壊」のシーンは情け容赦のない演出がされています。なんでも「怪獣が暴れることによって本来起こるべき厄災(要は人がたくさん死ぬよ)をリアルに描いて見たかった」みたいなことが作品の主要テーマとしてあったという事で。確かにほとんどの過去作品ではそれはタブー的に扱われていましたので、目の付け所としては面白いのですけどね。ただ本作に関しては、「何のためにそれを描くわけ?」という所が理解できない。

 
 
 

この渋谷のシーンのような、言ってみれば「都市崩壊パニック映画系怪獣映画」としては、もちろん「ゴジラ」第一作が1954年の昔にほぼ完ぺきな完成度で金字塔を打ち立てています。この初代ゴジラが表現したのは戦争のメタファーであり核の恐怖であったわけで、当時の人々が抱いていた大空襲の傷跡と核実験被害への恐れの心情に訴えかけて、平和の尊さを逆説的に表現したのだと思っています。それに対して本作ではそういった精神的な動機はなさそうで、ハリウッド的とでも言うべきでしょうか、要は思い付きと言うか表面的と言うか、スゴけりゃいいじゃん的なノリがすべてという気がします。まあそれならそれで、難しいことは言わずにシンプルな「パニック映画」に徹すれば、この特撮技術をもってすれば相当な完成度になったと思うのですがね、

 
  
 
 

なぜか「ガメラに親を殺された少女の復讐劇」と言う名目のまるでポケモンみたいな「モンスター育成ストーリー」を物語の軸に据えて、前述の「凄惨なパニックスペクタクル」はこれを補足するための一要素、みたいな作劇にしてしまったことが、この作品をやたらと複雑な構成にしてしまった最大の原因と思います。「パニック映画」と言うだけで普通お腹いっぱいなわけですから。さらにこれだけではまだ足りず、柳星張だの四神獣だの玄武だの巫女だの陰陽師だのと、古代日本や中国の言い伝え系キーワードが次々に繰り出されてきてもうついて行けません。劇場で一回観ただけでサラッと理解できた方、どれくらいいるんですかね。自分はパンフレットの説明を後で必死に読みましたが、未だにその意味付けが完全には理解できません。だって第一作で「太平洋に沈んだらしい古代文明が生んだ生体兵器」とガメラ&ギャオスを規定しているのに、無理やりの日本昔ばなしですから頭の中が「パニック映画」・・・このあたり、神話ラブは金子監督の趣味趣向なんでしょうか?この後撮ったゴジラでも全く同じような設定を使ってますからね。

 
 
 
  

各出演者の位置づけももう一つ不鮮明。中山忍さん演じる「長峰」の扱いも、前半はギャオス研究者として対策本部に迎えられるなどスキルを生かした関わり方が納得なのですが、後半は「探偵か?」というような扱いで、意味不明な存在になって行きます。これは浅黄をはじめとした他の出演者たちも同様。特に京都駅のシーンでは人数ばかり沢山いるのにだれも活躍するでもなく、いつまでもがれきをどけるのに四苦八苦てしたり勾玉もったり訳の分からないことを言いながらつぶされたりと、尺を使うだけで全くいいところがありません。前田愛さんは熱演ですが、役柄以前に「なんで怪獣とそういう形で融合すると怪獣が強くなるの?」という根本的な理由が良くわからない自分には、巫女だなんだといわれても「取り返しのつかないことをしてしまったにしては反省の足りない悪い子だ!」くらいにしか思えないわけです。出演者と言えば「ガメラとイリス」(笑)のデザインも、なんだか小難しくって分かりにくく感じます。ディテールが懲りすぎで、全体像が掴みにくい感じ。特にイリスは直立姿勢が凄く不自然で、あまりにもあっけらかんと着ぐるみ然として疑問符一杯です。

 
 
 
 

このように「わからないことがいっぱい」の超難解な設定の山に頭が一杯になって、何度観ても消化不良のままクライマックスを迎えるのですが。あのガメラの最終奥技ね、「バニシングフィスト」と言うらしいですが、これが一瞬で、CGの解像度が悪いのか自分のアタマが悪いのか、どんな技なのかどうもよく分からない。実は劇場で観たときに一瞬気が抜けていたのか「見損ねて」いて長い事モヤモヤしてたんですが、その後のTV放映でも、挙句は今回のDVDで何度再生しても、やっぱりどうももう一つはっきりしないままなんです。これがまた消化不良の一因・・・

 
  

  

そして極めつけの消化不良ネタはもちろん「完結しないラストシーン」。あの後どうなったかは完全に観客丸投げですのでね。まあ、エンディングのパターンとしては昔からあるものですからどうこう言いませんが、ここまでこれだけモヤモヤを重ねてきて最後にとどめのようにこれですからね、本当に胃に穴が開きそうです。このラストシーンはやはり賛否両論のようですね。例の落語家さんの自主制作続編映画はどうやらまさにこのシーンの続きから始まっているそうですが、映画の続編と言うより連続TVドラマみたいな流れでわざわざ映画作っちゃいたくなるくらいのインパクトがあったわけですね。

 
   

 
 
  

さて、初めて平成ガメラ三部作を通しで観た感想としてはね、映画は楽しい方がいい、と言うのが自分の基本スタンスですので、好きな順に並べればやはり「1」「2」「3」の順で1位2位3位となります。「爽快感」→「モヤモヤ」の順ね。ただし別の評価軸(例えば特撮技術感激度とかリアル作戦行動に納得度とかね)を立てれば逆転するでしょうし、それくらい各作品ともそれぞれの良さと強みを持っている名作群であることを確認できました。と同時に、結局はカルト映画の範疇を出ていないというか、怪獣映画というもの自体がこの頃にはすでにカルト映画になっていたという事実を再確認させられた気がしました。マニアックに凝れば凝るほど一般大衆からかい離してゆくジレンマ。今回この3本を観てとても楽しかったけれど、それは多分「怪獣映画ファンフィルター」を通しての感想と思いますし、怪獣映画はどこに行くのかについてはますます霧の中。まさに「ガメラ3」のラストシーンのように、考えれば考えるほどモヤモヤが残るのでした・・・

「ガメラ2 レギオン襲来 デジタルリマスター版」怪獣映画にとってのリアルとは?

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年末アマゾンポチっとガメラシリーズ2本目は、平成シリーズ最高傑作の呼び声も高い「レギオン襲来」。これTVの録画で何度も何度も観ましたが、色々な意味でよく出来てますね。確かに客観的にみると総合点ではベストという気はします。でも好き嫌いでは1作目にかなわない。

 
 
 

このDVDも、おまけの映像特典は予告編だけというさびしさ加減ですが、気を取り直して久々のご鑑賞です。さてこの映画、自分的評価としては、作品の完成度はかなり高いと思いますがやはり前作に一票、という思いは今回観直しても変わりませんでした。前作の、取りようによっては「怪獣映画というジャンルの壮大なパロディか?」と思えるほど、何度観ても嬉しくなっちゃうほど徹頭徹尾「お約束」を忠実にトレースした作風は、自分には理屈抜きにど真ん中直球ストライクですのでね。あまたある怪獣映画の「いいとこどり」を一気に観るような楽しさを、過去の名作以上においしい味付けで堪能できるわけですから。そんな大好き映画の第二弾だというので公開時やっぱり物凄く期待をして観に行ったわけです。で、もちろん期待にたがう事はなかったと記憶してますし、今でも十分十二分に満足できる作品とは思いますし、とても好きな作品です!ただ、なんかね、作風が、何となくなんですが、前作に比べると重暗いというか、小難しいというか、鑑賞後にスッキリ爽やかな気分になれないんですね。このもやっとした感じは公開時から、TV放映、録画、そして今回のDVDまで一貫して何となく、何となく受け続けている気がします。

 

 

特撮技術は前作よりも明らかに数段進化しており、金子監督らしい軽快なテンポも、樋口監督らしいこだわりの美しい特撮カットも健在と感じます。新ヒロインの水野美紀さんはとても魅力的ですし、それ以上に真の主人公たる「ガメラ」ご本人のデザインが最高にカッコいい!三部作の中ではベストと思いますし、ご贔屓のビオゴジと比べても一歩も引けを取らない傑作デザインだと思います。逆に引っかかる点を挙げると、①レギオンのデザインと設定が複雑すぎ ②自衛隊が頑張りすぎ ③一般人が頑張りすぎ ④最終決戦の場所設定が地味すぎ ⑤ウルティメイトプラズマは大げさすぎ ⑥レギオンの命名シーンはおかしすぎあたりですね。もちろん勝手な感想にすぎませんし、映画全体としてはとても好印象を持っている事には変わりありません。致命的に感じるようなものはありませんので粗探しみたいで恐縮ですがね、それでも前作よりは気になる点が多いのも事実。以下詳細。

 

 

レギオン(マザー)のデザインは未だになじめません。ガメラシリーズとしてはジグラさん以来25年ぶりの新怪獣だったそうで、確かに力入ってるのは分かります。また、すでに「エヴァ後」だった当時の最新デザイン要素はしっかり取りこまれていると思います。ただやたらと構成要素が多くて、まとまったイメージが自分にはまるで伝わりません。逆に群体レギオンはちょっとテキトー感が感じられて残念ですし、どちらも「鉱物系」なので仕方がないんでしょうけど、前作のギャオスのような「生物感」が不足していてややおもちゃっぽいです。草体は古い人にはウルトラQにしか見えません。この3種のシステム構成が複雑すぎて、一度見ただけでは互いの関係性がまるで理解できませんでした。一方自衛隊の作戦行動のリアルさは見せ場として素晴らしい半面、ちょっと前に出過ぎているというかやや冗長に感じます。作戦本部はまるで昭和の「サンダ対ガイラ」と変わらないレトロ感で、この辺は前作のビル内の仮設司令室の方が現代的イメージがあって好感が持てました。本作の司令官はまるで戦国大名みたいですしね。また、自衛隊と「穂波・帯津」コンビの関係が、前作の長峰へのような「専門家への政府要請」ではなく個人レベルで素人意見を取り上げるのが何とも不自然に感じます。そも「レギオンの正体の解明」は作劇上本当に必要だったのか?宇宙生物なんだから「わからないもの」に徹しても良かったと思うのですが、妙に劇中で詳細説明したがったために「穂波・帯津組」の扱いに無理が出てしまったのかもしれません。そしてなにより最終防衛ラインの場所設定の必然性のなさ。ここでの攻防は映像的には確かに大迫力で見事ですが、「なぜ世界の命運をかけるほどの重要な戦いの場を首都東京(ここが落ちたら日本は終わりという分かりやすい記号性)ではなく地味~な足利市で?」と考えだすと映画の設定としてとても不自然に感じてしまいます。昭和ゴジラ後期の「お山のセットでプロレスごっこ」並みとは言いませんが、前作に比べてどうも貧相に感じてしまう。これって実は(主に北海道で撮ったらしい)せっかくの自衛隊車両走行シーンを使うためというのが真の理由か?などと勝手な想像をしてしまいます。ウルティメイトプラズマはまあね、肉弾戦得意系イメージのガメラとしては反則とは思いますが、「地球を守る生体兵器」ですから良しとしましょう。不可解なのはレギオン命名のくだりです。制作側は思い入れがあるシーンのようですが、いち自衛官の(超マニアックな)つぶやき一言で名前が決まるなんてのは、あの伝説の「ギャオーって鳴くからギャオスだよ!」と何も変わらない安直さに感じちゃってこれはダメダメですね!以上が「個人的残念ポイント一気出し」。


 

ところで本作は前述の通り全編自衛隊が大活躍する映画で、恐らく数ある和製怪獣映画の中でもその点では最強でしょう。自衛隊アレルギーの方にはその辺 が引っかかるようですが、実際に映画のような状況になったら怪獣と戦うのはやはり彼らでしょうから、その作戦行動を緻密に描くのはまあ当然と言ってよいと 思いますし、なにせ今回は「男性主人公が自衛官」の設定ですので、否応なく彼らがストーリーの中心に居座ることになります。


 

実はこの時点までの和製怪獣映画で、「自衛官が主役」の作品は、ありそうで意外と無いんですよね(Gフォースとか地球防衛軍等は除きますよ。リアル自衛官役ね)。科学者とか新聞記者とか宇宙パイロットとか小学生(笑)とかは多いんですがね。で、この主役設定こそが、ひょっとしたら「ガメラ2」が「稀有なほどリアル度の高い怪獣映画」として成立した、若しくは「成立せざるを得なくなった」最大の理由なのかなと思います。つまり前作でリアルな演出が高い評価につながったことに味を占めた制作サイドが、前作以上の「リアルさ」を追求するためには自衛官を主人公に据えることが早道と思いつき、それを前提で自衛隊に撮影の協力を求めたとしますね。 逆にそれを受けた自衛隊側としては過去作品以上に「自衛隊を正しく描く」事を協力の条件として求めたのではないかと推測するわけです。主人公が自衛官の映画で、いい加減な描写をされては妙な誤解を招く恐れがありますからね(公開当時は恐らく現在よりも自衛隊への風当たりは強かったと思います)。そのお互いの利害の「相乗効果」?が、「やたらとリアルな(っぽい)自衛隊作戦行動描写の大盤振る舞い」につながり、結果、お子様向け怪獣映画にへきえきとして、「大人向けの リアルな怪獣映画」に飢えていた潜在的怪獣映画ファンから益々の大喝采を得ることが出来たのではないかと思ったりします。

 
 
 

その かわり、「ファミリー向け」としてはどうなんだろう?という疑問もあります。事実、以前にもちょっと書きましたがこの映画、まだ小学生だった娘と二人で観に行った思い出の映画でもあるのですが、これ以降娘は2度と怪獣映画に付き合ってくれませんでしたし、奥さんにはこの時点ですでにNG出されてましたので・・・要はこんな男臭い、しかもややこしくて怪獣オタクっぽい映画は私たち女性(年齢問わず)の見るべきものじゃないわ!という烙印を押されたわけです。実際、封切り時点では興行収益10億円に届くかという勢いだったのに最終的には失速(8.2億円)したという事実(Wikiの記事より)が、我が家に起きた事象が一般論でもあったという事を裏付けているようです。女性&ファミリー向けとしては、つまり「一般向け娯楽作品」としては、今一つだったと言えないこともないのかなと思います。

 

 

まあ、前作は興行収入6億円、次作「ガメラ3 邪神覚醒」は7億円どまりだったのですから、それなりに大健闘と言っても良いのかもしれませんし、作品の出来を興行収入だけで計るのも確かにどうかとも思いますがね。ただ、すでにこの時点で、これだけ評価の高い作品を作ってもこの程度の収益しかあげられなかった、という事は結構厳しい現実ですね。ちなみに本作の約半年前に封切られた「ゴジラVSデストロイア」は興行収入20億だったそうで、様々なサイトやブログ記事から感じる作品的評価(出来は本作が上、という意見が多い気がします。自分的にもそう思ってます)と商売は必ずしも一致しないなというのも感じられてちょっと複雑ですね。まあゴジラとの収益差はひょっとしたら単純にネームバリューの差だけだっだのかもしれませんが、そのゴジラにしてもこの後再復活してからも慢性的な収益ダウンに陥りついに終焉を迎えるわけです。その中には金子監督の「GMK」も含まれていたわけで・・・

 

 

 

さて、長くなりましたが、「ガメラ2 レギオン襲来」は、怪獣映画ファンの間でも平成三部作のベストに上げる方が多い、傑作中の傑作である、という事に異論をはさむ気はありません。繰り返しますが本当に面白い!ただ、前作以上にとことんリアルさを追求したマニアックな怪獣映画である分、各設定が複雑すぎて、ちょっとしたアラが気になりだすとどうもね、という所はあるような気がします。「リアルさ=現実感」と「ありえない出来事」の摺合せのさじ加減が前作ほど程よく感じない。2作目というものの宿命なんでしょうかね。手抜きは論外ですが、頑張りすぎたのかな。ところが3作目はもっと頑張っちゃったんですね。という所で次回最終回に続く・・・

 

2013年1月19日 (土)

「ガメラ 大怪獣空中決戦 デジタルリマスター版」 日本的怪獣映画の総決算?

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年末に例によって「発作的に」アマゾンポチッとしてしまった平成ガメラ三部作DVD。久しぶりに、そして初めて三作比較しながらしっかりと観ましたが、改めて和製怪獣映画の傑作中の傑作と確認したと同時に、思っていた以上に各作品のタッチの違いを感じたりして。

 
 
 

ガメラ平成三部作は大映が徳間書店傘下だったころの作品群ですが今は角川書店から出ているDVDデジタルリマスターコレクション、アマゾンで一巻あたり2100円以下で入手できました。邦画DVDは高いイメージですのでありがたいことですが、そのかわり「劇場予告編」以外何もおまけコンテンツは入っておらず、ちょっとさびしい内容ではあります。画質自体は我が家の貧弱なインフラでは腹は立たないレベルですが、大画面のご家庭ではどうなんでしょうという程度のものですね。

 
 

まずは記念すべき平成ガメラシリーズ第一作、「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995年3月公開)を観ました。今回この三作の中で一番観たかったのが本作です。劇場公開時に三作中一番強い印象を受けたのですが、その後「ガメラ2」以外はTV放映時録画をし損ねていて、好印象の割にディテールをあまりはっきり覚えていないためでした。

 
 

自分的評価では三部作の中で一番好印象だったと思ってました。同時に、少なくとも公開時点までの和製怪獣映画の総決算的な作品という印象を持っていました。今回改めて観終わった後もその後数回観た後も、そのイメージはいささかも変わることはありませんでした。それは設定やストーリー、特撮技術などの基本的な要素はもちろん、それを踏まえたうえでの「見せ方」が、まさにそれまでの「怪獣映画」のセオリーをしっかりと踏襲しつつ、さらに「こうあってほしかった!」という怪獣映画ファンの潜在的願望に見事に答えた的を得た演出と味付けが全編にわたってなされていることによると思います。

 
 

最初のカットはもちろん海。海原を進む輸送船に「事件」が起きる導入部。並行して小さな島におきる怪奇現象。調査に向かう主人公。このあたりはディテールこそ違えまさにゴジラ1954を彷彿とさせる流れです。タイトルロールの出演者などの書体もわざわざ昔風に筆書きにする凝りようで、「和製怪獣映画の始祖」に敬意を表しているようです。その後のストーリーの流れも、大きくは「二大怪獣対決」系怪獣映画のパターンをしっかりと踏襲しています。ガメラでもゴジラでもおんなじで、敵役の怪獣がまず上陸。後を追うように主役怪獣が現れて大ゲンカ。自衛隊も巻き込みいろいろあって、最後は主役怪獣が勝利してめでたしの、キンゴジ以来の黄金パターンまんまです。特に昭和ガメラはほとんどこれと思いますので、ガメラ復活を分かりやすくアピールするためには外せない背骨であったのでしょう。

 
 

なので、下手をすればなんだいつもといっしょで進歩がないね、とか、今どき古臭いねで終わってしまいかねない「定番パターン」なんですが、それを考え抜かれた脚本と演出手法と凝りに凝った特撮技術でとことん磨き上げ、むしろ安心材料へと転化させて見せたスタッフの手腕に改めて感じいった次第です。「樋口アングル」というか、怪獣を下からあおるように写して巨大さを強調する手法をはじめ、あまりにも有名な「夕焼けの東京タワーに巣を作るギャオス」の美しいシーンなど、とにかく怪獣をリアルにカッコよく見せる画面作りについてはありとあらゆる工夫がなされており、また見事な効果を上げていますが、それらの多くはここまでの平成VSゴジラシリーズでも成し得なかった斬新なものといってよいでしょう。また、特撮のレベル自体ももちろん当時としてはかなり高いものと思いますが、なによりもミニチュアや着ぐるみや未熟なCG使用による不可避的な「アラ」を、本当に丁寧にしかも上手に「ごまかして(良い意味ですもちろん!)」リアルに感じさせる技術と作りこみ。これらこそが、自分も含めた昭和からの「東宝&大映特撮怪獣映画ファン」たちの恐らく誰もが持っていた「もうちょっとこんな感じだったら更に良かったのにな」的な不満をほぼ一掃してくれた、この作品の最大の魅力であり、成果だと思います。

 
 

一方「女性が(事実上の)主人公」(正式には伊原剛志さんですがどう見てもね)というパターンはここまでのゴジラ&ガメラではなかったはずで(マッハさん除く・・・)、この点は新境地といえると思います。もちろんVSシリーズの超能力少女とかメカキングギドラの女性パイロットとか大活躍の準主役級女性はいろいろいましたが、本作の中山忍さんが演じた「長峰」ほど、物語の中心人物として男まさりの大活躍をするキャラクターはいなかったと思います。というか、彼女のやっていることは要は通常の「男性主人公」の役柄そのものであり、そこにうら若き、しかもとびきりのカワイ子ちゃん(死語)を当てはめただけ、と言えないこともありません。まあ、それこそが「斬新なアイデア」であったわけなのでしょう。

 
 

ストーリーのディテールについては古代文明とか巫女とか勾玉とか生体兵器とか、当時でもすでに「こなれた」キーワードを、「ガメラとギャオス」という既存のイメージに違和感なくうまくからませて、新しさは感じられないものの程良く上手にまとめていると思います。こういうのはやりすぎたり逆にあまりにいい加減だとそこで引っかかって入り込めなくなってしまうのですが(例えばVSキンちゃんのタイムパラドックス問題)、本作はそのあたりの味付け具合は絶妙で、非常に良いテンポでサクサク進む演出にも助けられ、かなり気持ちよく物語世界に身を置くことが出来ると思います。とはいえ、全体にリアルでシリアスな雰囲気で進む作風の中で、ガメラが最初に脚からジェット噴射して福岡ドームから飛び立つシーンだけは、「ありえねー」的違和感が一瞬「ガメラだから当然でしょ」というお約束的理解を超えてしまったことも事実です。まさに怪獣映画とは、ありえない出来事と現実感の「摺合せ」の産物である、と、再認識させられたシーンでしたね。

  
  
 

という事で、いろんな意味で怪獣映画の見事な総集編ともいえる本作はやはり「日本の怪獣映画の歴史」の中でも屈指の傑作であり、重要な作品であることを再確認することが出来ました!本当にポチッとして良かったと心から思いますね。で、めでたしめでたし、なんですけどね。同時に、「黄金パターン」はこれでもう打ち止めでいいや、もう十分、とも思っちゃいますので、自分にとっても、そしておそらく怪獣映画関係者にとっても、本作以降については限りなくハードルが上げられた格好ですね。でも結局、ゴジラもガメラもこの先もずっと黄金パターンを追求し続けたわけで、今考えるとそのことも今日の怪獣映画絶滅時代を招いた一因だったのかな、とね。

  

  
 
 

にしても、本作のガメラは少々漫画的な可愛らしさがやっぱりチョットね、気になります。改めて見直してもやっぱりね。ギャオスのあの生物感あふれるリアルで恐ろしげな表情に比べるとバランスが悪く感じられて、どうしてこうなっちゃったのかなとね。次作「ガメラ2」では「短期間で進化する」という無茶な設定のおかげで相当カッコいいデザインに変化しますが、あのデザインで本作を作っていたらパーフェクトに近い自分評価となっていたと思います。これがために、残念ながら自分的にはまだ怪獣映画に未練が残った、とも言えるわけで。この後も更なる名作を期待し続けるわけですがね。果たして「ガメラ2」「ガメラ3」はそんなわがままなおじさんを満足させてくれたのでしょうか?という所で次回に続く・・・


2012年1月20日 (金)

雑貨店「キオクハウス」スピンオフ企画 「ゴジラの(プチ)歴史展」

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個人的ブログの「Fifties graffiti」ですが、本日は雑貨店「キオクハウス」とのタイアップ(?)ネタをひとつ。お客様から「いらないからあげるよ!」といただいた、ガチャポンと食玩のゴジラ君のミニフィギュアたち!せっかくなので以前紹介した手持ちとあわせて、店内の 空いていたエアコン下の棚に年代順に並べてみました!お好きな方は見に来てくださいね!

 

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一応向かって右から年代順に並べました。右から2番目が頂いた「初代(1454)」君で、バンダイの「円谷英二セレクション」の出身です。例の重そうなスーツの雰囲気がなかなか良く出ています。一番右は以前紹介の手持ちの「プロトタイプ」君で、バンダイ「ゴジラグミ」の出身。左の2頭はこれも頂いた「ゴジラの逆襲」コンビの「初代アンギラス」君と「逆ゴジ」君です。逆ゴジは珍しいのでは?首のあたりのいい加減さとか、かなりよく再現していると思いますね。

 

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今回頂いた中で一番のお気に入り、「怪獣大戦争」での「シェー」のシーンです!あの無茶なポーズを、なかなか生き生きととらえていて素敵です!「キンゴジ」や「モスゴジ」(ここにはいませんが)を経て、かなり軽くなったゴジラ像が見て取れます。

 

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お次はこれも頂いた「ガイガンゴジ」君(でいいんですかね?)です。すでに子供の味方全開の頃ですね。でもなぜか主たる配役に子供がいない不思議な子供向け作品でした。

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これも今回頂いた「ゴジラ対メカゴジラ」のゴジラ君、と言いたいところですがなんと「メカゴジラ君」!腕の破れたところから金属のボディーが覘いているのが見えますかぁ?偽ゴジラとして登場したシーンのイメージですが、なんと腕(足元に置いてあります)の交換でゴジラにもメカゴジラにもできるという、マニアックすぎる(割にはいい加減な)設定であります!

 

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次の3頭は手持ち紹介済みの、「1984」君、「デスゴジ」君、「GMK」君です。ゴジラのワル顔ベスト3ですな。それにしても新幹線にATSはついていなかったのですかね・・・

 

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頂き物の最後は「釈ゴジ」君。これは八景島上陸シーンなのかひと鳴きして海に帰るシーンなのかちょっと不明です。今度確かめますが、シーンとしては地味めですね・・・

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最後は手持ちの「GFW」(ファイナルウォーズ)君。このくらいのラインナップでは決して「そろっています」というレベルではありませんがね、いつでもどこでも見られるよ、と言うものでもないでしょうから、まあ、こんな酔狂なお店もあるという事でご勘弁を!今回フィギュアを頂いたお客様には、いつもいろいろ目をかけて頂いておりまして心より感謝です!!これからキオクハウスとしても楽しい企画をいろいろ考えたいとおもいますが、こんな「好きな方向け」プチ企画も大切にしてゆきたいですね!ありがとうございました!!!

2012年1月19日 (木)

遅まきながらディアゴスティーニの「ビオゴジ」です!

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久しぶりのゴジラネタです!ディアゴスティーニの「ビオゴジ」ソフビフィギュアです!昨年11月には入手していたのですが雑貨店キオクハウスのお守りが優先でしたので、なかなかブログアップできませんでした。今回は画像たっぷり?でご紹介します!

 

東宝特撮DVDシリーズのおかげで東宝ゴジラシリーズ全作を観ることができ、冥途の土産が出来たなどと感慨に浸っているおじさんでありますがね、特撮マニアゴジラマニアというほどではありませんので、正直このシリーズを手にするまでは、ゴジラにこんなにたくさんの種類というか、デザイン違いがあるとは認識していませんでした。「初代」「キンゴジ」「モスゴジ」あたりの愛称は聞いてましたが、時代や作品ごとに愛称や(釈ゴジとか・・・)違いがこれほどあるとはおもっていませんでした。

 

当初は、というか今でも強い思い入れがあるのはやはり「初代」ですが、ほぼ全種をチェックした時点で一番カッコいい!とおもったのは「ゴジラVSビオランテ」でのゴジラのデザインです。本作以降の平成VSシリーズのデザインは略同型のようですが、黒目勝ちの目を始めとして、「ビオゴジ」君が最も獰猛で精悍な感じがします。「ご近所」となった東宝スタジオの入り口に飾られた等身大(着ぐるみのです・・・)のゴジラ像もこの平成VSのデザインのようですので、東宝にとっても「ビオゴジ」は重要な位置づけなんだろうと思います。そのお気に入りが完全再現でフィギュア化と聞いてはね、つい手を出してしまった次第で・・・


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サイズは体高約25cm、しっぽの先までの長さは約40cmと、以前紹介したバンダイのリアルアクションシリーズの初代君より一回り大きいです。確か「ゴジラ」(1984版、つまり平成シリーズの初期設定)で昭和作品の体高50mから80m(のちのVSキングギドラでタイムワープ後は100m)に拡大されてますので、そういう意味では(たまたまですが)設定通りの大きさとも言えますね。何にしても平均的日本家屋で飾るには大きすぎて困っています・・・迫力は申し分ありませんがねぇ・・・

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川北紘一監督が完全監修されたというだけあって、細部まで見事な出来栄えですが、それ以前にプロポーションの良さが際立ちます。多分脚はわざと太目大き目とおもうのですが、安定感と重厚さが際立つ「ビオゴジ」のイメージを見事に強調して見せてくれます。

 

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サメのような乱杭の歯や、ちょっと哺乳類(犬とか・・・)っぽい鼻のあたりとか、おっさんのパンチパーマっぽい頭の模様とか、顔周りはディテールまで本当にしっかりと再現されてます。プロポーションも頭小さ目でカッコいいですね。

 

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黒目勝ちの眼も、本作から復活した耳も、本当に良く再現されています!

 

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もちろん爬虫類系にしては不自然なほど筋肉隆々な胸板もね。このフィギュアの造形は、良くあるパターンの「生物としてのリアリティを強調した解釈」を目指したのではなく、あくまでも「映画の着ぐるみスーツ」のデザイン質感再現にこだわったのだそうですが、正解だったとおもいます!

 

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CG全盛の世の中ですが、平成VSシリーズのあの独特の重量感はやはり着ぐるみ特撮の持ち味なのかなと思いますのでね。「三丁目の夕日」のCGゴジラは凄いけれど、やはりどこか違和感があります。「初代」が表現したあの重量感、一歩ずつ迫ってくる恐怖のイメージを、その後のあまたのゴジラ作品の中で唯一再現したのがこの「ビオゴジ」だったのではないかという気がします。お相手のビオランテ君が植物怪獣で、基本的に動かない(敦賀での突進は特別ですが・・・)のも幸いしたのかもしれません。「ファイナルウォーズ」みたいに動き回っては逆に嘘っぽい。


東宝特撮DVDシリーズはまだ続いていますが、ゴジラ系はすでに終了して久しい今日この頃。今でも時間があるときにはつい観てしまいますがね、その中でも「ゴジラ対ビオランテ」は相変わらずお気に入りの一本です。もっとも最近では、以前苦手だった昭和後期の「子どもの味方君」の愛嬌のあるお顔もけっこう気に入ってきて、好き嫌いのない良い子に少し近づいたかな、などとも感じてはおります。でもね、ニンジンが食べられるようになってもやっぱりお肉が好きなんだい!みたいなところで、「ビオゴジ」は最も好きなゴジラのポジションであり続けるでしょうし、このフィギュアも手に入れてよかったなとおもうところであります。

 

  

ホントを言うとね、ビオランテも欲しかったんですよ。でもあまりにも高くってねえ・・・残念!

2011年10月24日 (月)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第52弾 「ゴジラ 対 メガロ」  ゴジラ系DVDコレクションのトリは逆境に立ち向かった気骨の一本!

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このシリーズ好評につき10作追加との事ですが、ゴジラ及びいわゆる怪獣映画系作品は、この「ゴジラ対メガロ」と54弾の「モスラ3・・・」でおしまいのようです。長いようで短い2年間、この齢にしてようやくすべてのゴジラ映画を観ることが出来て、関係者の皆様に心から感謝です!

  
 

気が付くと月一更新のペースで、もっと頑張らねばとおもうのですがね、新生活との折り合いがなかなかつかず。この作品も買って観たのはだいぶ前ですが、今頃感想文という体たらくで、なにとぞご勘弁でございます・・・

  
 

この「ゴジラ対メガロ」、公開は1973年(昭和48年)3月17日という事で、春休みの「東宝チャンピオンまつり」で「パンダコパンダ」や「ジャングル黒ベエ」と一緒にがっつり子供たち狙いの作品として世に出たわけです。当時はTVの「変身もの」全盛期で、一方邦画界は「斜陽」のどん底にあえいでいた時代でしたので、いかに怪獣王ゴジラといえど、トレンドに乗った形での「営業」をせざるを得なかったというわけです。

  
 

その最たるものが「相棒」のジェットジャガーという名のロボット君で、まあ多分「レッドバロン」などの実写系ヒーローロボットと、「マジンガーZ」以降のアニメ系のそれの両方からの流れを汲んでいるのでしょう。操縦器で動くはずが最後は自己をもって行動するパターンも、「ジャイアントロボ」以降おなじみの流れですのでね、当時のお子様たちにはすんなり受け入れられるだろうと期待できる企画ではあったのでしょう。

  
 
 

海底王国が攻めてくる、なんて設定も、10年以上前の特撮映画となんの違いもありません。その海底王国の表現も然りですし(ロバート・ダンハムことドゴラのダン・ユマさんは、もう一つ精彩なくて残念でしたが・・・)、特撮自体の技術水準もまた然り。そういう点では時間が止まったか?という感さえあるのですが、当時のTV特撮番組の水準、つまり子供たちの「レベル」はそのあたりで、それならなんとかなるさ、みたいな安直さが感じられないこともありません。もちろん実際は、子どもたちの知識や要求水準は、恐らくそんな大人たちの安っぽい計算よりもずっと上にいて、逆に大人たちを見下していたのだとおもいますがね。

  
  

だから作品的にはね、また、ゴジラの立ち位置についてもね、当時すでに中学生の自分としては興味の対象外だったわけです。今観ても、そういう「TVレベルでいいじゃないか」とか、「こんなもんだろう」の部分は、どうしても鼻についてしまって、正直言って完全肯定はやはりできません。ついでに言うと、この「上目線」の企画の姿勢は、厳しく言えば平成VSやミレニアムを含むゴジラシリーズ全体に最後までついて回った感じがします。最たるものが、以前にも書いた「VSキングギドラ」のタイムパラドックス問題や、「VSデストロイア」の体内原子炉問題(?)ですかね。

 
 

という、やっぱりね的なネガ感の部分とは別に、正直思いのほか頑張っていて面白いじゃないか、という、ポジティブな気持ちもしっかりと持っています。冷静に考えて、企画的には「核の脅威の象徴」であるゴジラが正義の味方を精一杯演じる「不自然さ」を乗り越えてほめたたえることはできないのですが、同時代の他のゴジラ作品同様、「作り手側の精一杯の頑張り」「スタッフの気骨」については素直に感銘を受けますし、当時的視野に自分をおいて楽しむ気持ちで受け入れる限り、これも他の作品同様「なかなか楽しめるぜ」というのが正直な気持ちです。よく見れば意外と(失礼!)特撮など頑張っていますし、やはりTV作品とは段違いの仕上がりなんだなと再認識しました。

 
 

「時代」と言えば、劇中主人公クラスの少年(小学生ですもちろん)が、新発明の試運転だと言ってナンバーなし保安部品なしの「ポケバイ」を、新興住宅地(開発中で家こそ少ない状況ではありますが・・・)の「歩道」で乗り回すなんてシーンがありまして、今では考えられないと半ばあきれながら見ておりました。のみならず例えばこの時代の男子の長髪(7:3ロン毛)やパンタロンスーツは今観ると、バブル期の女子の肩パットやフト眉と負けないくらい痛いところだなあなんてね。それらも含めて「映画は時代を映す鏡」(?)だなどと感慨にふけりながら(たまに)観る分にはね、これも良いのかなとおもいました。でもやっぱりね、「ゴジラ自分ランキング」上位には食い込めないな、というのも再確認・・・

 
 
  

さて、自分にとっての「東宝特撮映画DVDコレクション」は、これにて一巻の終わり、となりそうです。勝手な事ばかり書いてきて、関係者の皆様にはお許しをこう以外にないのですが、同時にこの上なく楽しませて頂いた2年間でもありました!本当にありがとうございました!

 

 

さて、また楽しいものを探さないとね・・・とりあえず「ビオゴジ」早く来ないかな・・・

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