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2014年9月13日 (土)

「大映特撮映画DVDコレクション」第1号「大怪獣ガメラ」 記念すべき第1作は大映魂の宝箱

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「大映版」は無理かなと思っていたら、やってくれましたディアゴスティーニさん!全46巻の予定だそうで、また当分楽しめそうです!第1巻はこれしかないでしょ!の、ガメラシリーズ第1作。東宝ゴジラとは一味違う独特の映像世界を確かに確認できました。





以前にも書きましたが、ガメラシリーズは東宝ゴジラに遅れる事約10年のスタートで、確かに独自のアイデアに溢れてはいるものの、第1作が単独で東京、第2作が敵役の四足と大阪城で対決、というように、パクリとは言いませんがなぜか先輩の足跡をたどるようなスタートをしています。しかもガメラ第1作公開時点でゴジラは6作目の「怪獣大戦争」(シェーのやつね)で、とっくの昔にカラー&ワイドスクリーンとなっているわけですが、ガメラはなぜか白黒映画でのスタートです。このあたりのいきさつはWikiに少し書かれているようですが、理由がなんであれ、とても疑問に感じる所です。



とはいえ、やはりモノクロームは「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」がそうであったように特撮のアラ隠しとホラーな雰囲気づくりには確かに効果的で、本作でも良い味につながっているようです。今回観直してみて、改めて結構重厚な画面の雰囲気となかなかスムーズな特撮と実写の合成に感心しました。特に自衛隊の作戦行動や逃げる人々のシーンと特撮シーンのつながりはとても自然でリズミカルでさえあり、むしろ東宝をしのいでいるようにも感じました。



特撮の技術面でも予想以上に健闘している感じで、全編迫力があります。東宝の大作に比べるとビルなどのセットがややチープとか、北極で登場時に氷が噴き出すシーンが不自然な表現に感じるなど、こなれてない部分が散見されて、この辺りは円谷東宝組に一日の長を認めざるを得ないかなと思います。それでも火炎放射やコンビナートの爆発シーンは大迫力ですし、特に地熱発電所のシーンはカット割りや構図も含めて、見事な出来と称賛して良いものと思います。




本編の演出もなかなか軽妙で、「ゴーゴー喫茶」?のやりとりや飛行機の中で煙草を普通に吸っているシーンなど当時の風俗がとても自然に物語の中で生きている感じが好感度高しです。主人公の科学者のセリフ回しでも、東宝ならさしずめ「・・・だと良いのだがね」と格好つけた感じになるところを、「・・・だといいんだけど」的な庶民的な感じになっているところが新鮮で親しみやすいですね。



昭和ガメラシリーズのもう一つのお楽しみは「知恵比べ」と思います。本作にしろ「対バルゴン」「対ギャオス」にしろ、人間側(主に学者先生)と怪獣の丁々発止の「知恵比べ」が実に面白く、作品にリズムと緊張感を与えていると思います。背骨のひとつといっても良いと思いますね。本作でも、人間側は超高圧電流から始まって冷凍爆弾、さかさまにひっくり返して餓死作戦、重油を満載したタンク車をぶつけて時間稼ぎをしたり、海上に火の帯を作って大島までガメラを誘導したりと、あの手この手と次々に「なんじゃこれ」寸前の面白アイデアをそれは生真面目に実行してゆきます。で、「なんじゃこれ」と思っても、けっこう食いついて見入っちゃうんですよね。その度にガメラがその作戦を上回るパフォーマンスを発揮するわけです。特に餓死作戦の時は実に効果的に「回転ジェット」を初披露して窮地を切り抜け、人間側を思いっきり出し抜くわけですが、このシーンの演出は本当に見事だと思います。



そんなわけで全体としてはなかなか面白くてよく出来た怪獣映画と思うのですが、引っかかる点も正直いくつかあります。基本的なところでは、初代「ゴジラ」のような「存在自体の重み」というものは、まあまったく感じられないなという点ですかね。東京大空襲と原水爆の恐怖の暗喩(というかそのもの)であった初代ゴジラに対して、北極でアトランティスで石の波文様程度では、いくらエスキモーの長老が怪しい発音の英語で恐怖の伝承を力説しても、日本人に「生まれいずる悩み」は伝わりませんねぇ。もっともこの映画が製作されている頃にはゴジラ様だって初心はどこに行きにけりかなという感じでしたので、これはこれでアリとは言えるんでしょうけどね。



2つめの疑問は主人公の子どもの態度です。カメが大好きで大好きで、ガメラに命を救われたこともあり自身の飼っていた子亀の生まれ代わりのようにガメラを慕って、どんな危険も顧みずに行動し(まあ、勇気というより無分別ですが・・・)大人たちにガメラへの攻撃をやめるよう懇願します。正直かわいい坊やというにはちょっとこまっしゃくれたお子さんですがそれはともかくとして、この子の真摯な態度と行動に観客の子供たちは自己を投影して、ガメラを好きになっていったのでしょうね。ところが大島にたどり着き、「Zプラン」の最新の科学設備を見たとたん、この子は「寝返る」わけです(笑)「ぼく、ここ気に入ってるんだ」とはしゃいで、笑顔で火星に向け追放されるガメラの乗ったロケットを見送るわけです。彼の「気持ち」についてはいろいろ好意的な解釈は出来るんでしょうけど、自分には何度観ても納得いかないシーンですね。トイストーリーではないですが、新しいおもちゃに夢中になって忘れられたウッディが本作のガメラ、というのはひねくれた大人の突っ込みでしょうか。当時の子供たちはどのように感じたのか、ぜひ聞いて見たいところです。



Zプランといえば、結構リアル系の怪獣パニック映画として描かれた本作のエンディングとしては、ちょっと座りが悪く感じるのは私だけですかね。いきなり当時の最新SFレベルの、例えばサンダーバード秘密基地みたいな施設が都合よく大島に建設中、なんてね。表現としてガメラを殺したりしたくなかったでしょうし、東宝ゴジラなんてすでに宇宙人や円盤がバンバン登場していた時代ですから、当時としては意外に不自然な流れではなかったのかもしれませんが、今となって単純に一本の作品のまとまりとしてみた場合、なんとなく唐突な終わり方と自分には感じられました。少年の不自然な寝返りも含めてね。このせいか、なんか後味がスッキリしないところが残るわけで・・・





という訳で、例によって勝手な感想を書きましたが、興行的にも大成功で、思惑通りゴジラのライバルとして成長してゆく人気シリーズの第1作として、やはりそれだけの価値ある映画であると再認識しました。今まで思っていた以上に、面白かったです今回。Zプランのくだりをのぞけば、という所はありますが、本編演出、特撮ともに、大映さすがですねという事を再認識できました!さて第2号は「大魔神」。本当に楽しみです!「ギャオス」と「バルゴン」もね!

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