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2014年9月26日 (金)

「大映特撮映画DVDコレクション」第2号「大魔神」 大傑作!でも彼は果たして怪獣か?

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大映の怪獣映画といえば、「ガメラ」シリーズと「大魔神」三部作が双璧、という事になっています。本作は三部作の一作目にして、今でも傑作の名を欲しいままにする優れた作品であります。大映スゲー!ってわけですが、でもこれって「怪獣映画」と呼ぶのは正しいの?



大映東京撮影所による1965年の「大怪獣ガメラ」の大成功により、大映京都が触発されて?お得意の時代劇を生かした「怪獣映画」の企画を立案。元ネタはゴジラ系でなく、チェコスロバキアの!1936年のモンスタームービー「巨人ゴーレム」だそうです。実はこの「ゴーレム」、DVDをなぜか持っているんですけど、20分位でもういいやと思ってしまいまだ最後まで観ていないという代物ですw したがって、「土くれの巨人像に魂が宿る」という基本的アイデアはともかく、作品のレベル的にはもう全く別物と言えるとは思います。



この作品自体は子どもの頃からテレビの映画劇場で何回か見ておりまして、なかなかの傑作、特にクライマックスの「討ち入り」・・・もとい、魔人が城に攻め入ってくるあたりの迫力と特撮の質の高さは、ひょっとして東宝以上(もちろん?ガメラ以上)では?という印象を持っておりました。今回もその印象は変わらず、むしろディアゴスティーニさんの東宝ゴジラシリーズをすべて鑑賞した後の目で見ても、本当に高いレベルであると再認識致しました。



理由は主に2つ。一つ目は合成シーンの仕上がりの自然さです。例えば魔人の山で大魔神が封印の岩を崩して出てくるシーンは、画面右手の大魔神と左手の主人公の動きと色調のマッチングが(スケール感は怪しいものの)とても自然です。そして何より山城に攻め入った後の、兵士たちとの戦闘シーンでの合成は本当に見事と思います。付属のブックによるとブルーバック合成に大映開発による当時の最新手法を投入したという事ですが、この出来栄えは東宝を超えていると言っても言い過ぎではない気がします。



もう一つは特撮セットのリアル感です。「大魔神」の怪獣映画としては小柄(笑)な身長設定がもたらした特撮セットの寸法が、ブックによると1/2.5という事で、これがリアルな作り込みに非常に貢献しているようです。瓦1枚1枚に至るまで再現したようですが、何より山城の建物の倒れ方が、確かに日本建築ってこのように倒れるよね、といちいち納得させられてしまいます。さらに折れた柱の断面とかとにかく細かい所までリアリティのある作り込みがされています。東宝作品ですごいと思ったのは「ラドン」の北九州のセットや「モスラ」の渋谷界隈、「サンダ対ガイラ」のL作戦の山中や漁村などいろいろありますが、一歩も引けを取らないどころか凌駕するほどのリアリティがあります。それもこれも、この1/2.5という「もう少しで等倍のセット」という設定が大きく貢献しているようです。




本編部はもうね、もろに「全盛期の時代劇映画」そのものですね。セットの感じとか、殺陣の感じとか、古典的だが品格のある、「木枯らし紋次郎」以前の?時代劇映画そのものという感じです。でもさすがに大映京都?カメラワークが本当に綺麗ですし、画面の構図も今見てもそれほど古さを感じない、アート的にも納得のゆく高いレベルのものだと思います。役者さんの演技も皆さんなかなかいいですね。修羅場でも顔にあえて汚しメイクをせずに綺麗な化粧とするのも大映的な品格、という事のようです。乙女の涙でチリと消える・・・なんて設定も、当時的リリシズムで素敵ですよね。それにしてもスゴイのは、本編だけ見るとフツーの時代劇の作りなのに、荒唐無稽な大魔神登場の特撮パートと何の違和感もなく溶け込んで、一本の映画として見事にまとまっている事ですね。企画、脚本、演出、編集のすべてがいかに練りこまれていたか、本当に感心してしまいます。




という訳で、心から「大傑作」と思える「大魔神」なんですが、ただ一つ引っかかるのは、果たしてこの映画は「怪獣映画」なのか?また大魔神は「怪獣」なのかという、超基本的な設定上の問題についてです。Wikiの「怪獣」項を読んでも、大魔神のようなタイプについてはあまりピッタリな説明が無いようです。日本的自然信仰の神ですが少なくとも東宝のバランのような「獣」ではないですし、「怪人」も違う気がする。「タイタンの戦い」に出てくるような「巨人」とか「巨神」とかが近い気はしますが、彼らを「怪獣」のくくりで語るのはどうなんでしょうか。どーでもいいじゃん、という声が聞こえてきそうですが、あえてこだわるのは、当時この作品は人気赤丸急上昇の「怪獣映画」のジャンルに区分けされて、「ウルトラQ」だのゴジラだの(もちろんガメラも)といっしょくたに、「怪獣ブーム」の一翼を担っていたような記述がDVD付属のブックにあったためです。




当時の風潮をかんがみ、商売上の区分けをしたら、とりあえず「怪獣映画」として売り出すのが賢明だったのでしょう。あの東宝の「宇宙大怪獣ドゴラ」なんてのも、怪獣というよりは「SF映画」と言った方が座りは良いのにあえて「怪獣映画」として売り出して、結局「?」の評価を頂いてしまったように、ブームというのは「こうあるべき」を超えることがあるんだなと再認識した、他に類のない「特撮ファンタジー時代劇映画」であるのかな、というのが今回の結論ですかね。




でも「キワモノ」と言わせない完成度の高さが素敵です!この孤高さが、本当に本当に、素敵な作品です! 

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