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2013年1月28日 (月)

「ガメラ2 レギオン襲来 デジタルリマスター版」怪獣映画にとってのリアルとは?

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年末アマゾンポチっとガメラシリーズ2本目は、平成シリーズ最高傑作の呼び声も高い「レギオン襲来」。これTVの録画で何度も何度も観ましたが、色々な意味でよく出来てますね。確かに客観的にみると総合点ではベストという気はします。でも好き嫌いでは1作目にかなわない。

 
 
 

このDVDも、おまけの映像特典は予告編だけというさびしさ加減ですが、気を取り直して久々のご鑑賞です。さてこの映画、自分的評価としては、作品の完成度はかなり高いと思いますがやはり前作に一票、という思いは今回観直しても変わりませんでした。前作の、取りようによっては「怪獣映画というジャンルの壮大なパロディか?」と思えるほど、何度観ても嬉しくなっちゃうほど徹頭徹尾「お約束」を忠実にトレースした作風は、自分には理屈抜きにど真ん中直球ストライクですのでね。あまたある怪獣映画の「いいとこどり」を一気に観るような楽しさを、過去の名作以上においしい味付けで堪能できるわけですから。そんな大好き映画の第二弾だというので公開時やっぱり物凄く期待をして観に行ったわけです。で、もちろん期待にたがう事はなかったと記憶してますし、今でも十分十二分に満足できる作品とは思いますし、とても好きな作品です!ただ、なんかね、作風が、何となくなんですが、前作に比べると重暗いというか、小難しいというか、鑑賞後にスッキリ爽やかな気分になれないんですね。このもやっとした感じは公開時から、TV放映、録画、そして今回のDVDまで一貫して何となく、何となく受け続けている気がします。

 

 

特撮技術は前作よりも明らかに数段進化しており、金子監督らしい軽快なテンポも、樋口監督らしいこだわりの美しい特撮カットも健在と感じます。新ヒロインの水野美紀さんはとても魅力的ですし、それ以上に真の主人公たる「ガメラ」ご本人のデザインが最高にカッコいい!三部作の中ではベストと思いますし、ご贔屓のビオゴジと比べても一歩も引けを取らない傑作デザインだと思います。逆に引っかかる点を挙げると、①レギオンのデザインと設定が複雑すぎ ②自衛隊が頑張りすぎ ③一般人が頑張りすぎ ④最終決戦の場所設定が地味すぎ ⑤ウルティメイトプラズマは大げさすぎ ⑥レギオンの命名シーンはおかしすぎあたりですね。もちろん勝手な感想にすぎませんし、映画全体としてはとても好印象を持っている事には変わりありません。致命的に感じるようなものはありませんので粗探しみたいで恐縮ですがね、それでも前作よりは気になる点が多いのも事実。以下詳細。

 

 

レギオン(マザー)のデザインは未だになじめません。ガメラシリーズとしてはジグラさん以来25年ぶりの新怪獣だったそうで、確かに力入ってるのは分かります。また、すでに「エヴァ後」だった当時の最新デザイン要素はしっかり取りこまれていると思います。ただやたらと構成要素が多くて、まとまったイメージが自分にはまるで伝わりません。逆に群体レギオンはちょっとテキトー感が感じられて残念ですし、どちらも「鉱物系」なので仕方がないんでしょうけど、前作のギャオスのような「生物感」が不足していてややおもちゃっぽいです。草体は古い人にはウルトラQにしか見えません。この3種のシステム構成が複雑すぎて、一度見ただけでは互いの関係性がまるで理解できませんでした。一方自衛隊の作戦行動のリアルさは見せ場として素晴らしい半面、ちょっと前に出過ぎているというかやや冗長に感じます。作戦本部はまるで昭和の「サンダ対ガイラ」と変わらないレトロ感で、この辺は前作のビル内の仮設司令室の方が現代的イメージがあって好感が持てました。本作の司令官はまるで戦国大名みたいですしね。また、自衛隊と「穂波・帯津」コンビの関係が、前作の長峰へのような「専門家への政府要請」ではなく個人レベルで素人意見を取り上げるのが何とも不自然に感じます。そも「レギオンの正体の解明」は作劇上本当に必要だったのか?宇宙生物なんだから「わからないもの」に徹しても良かったと思うのですが、妙に劇中で詳細説明したがったために「穂波・帯津組」の扱いに無理が出てしまったのかもしれません。そしてなにより最終防衛ラインの場所設定の必然性のなさ。ここでの攻防は映像的には確かに大迫力で見事ですが、「なぜ世界の命運をかけるほどの重要な戦いの場を首都東京(ここが落ちたら日本は終わりという分かりやすい記号性)ではなく地味~な足利市で?」と考えだすと映画の設定としてとても不自然に感じてしまいます。昭和ゴジラ後期の「お山のセットでプロレスごっこ」並みとは言いませんが、前作に比べてどうも貧相に感じてしまう。これって実は(主に北海道で撮ったらしい)せっかくの自衛隊車両走行シーンを使うためというのが真の理由か?などと勝手な想像をしてしまいます。ウルティメイトプラズマはまあね、肉弾戦得意系イメージのガメラとしては反則とは思いますが、「地球を守る生体兵器」ですから良しとしましょう。不可解なのはレギオン命名のくだりです。制作側は思い入れがあるシーンのようですが、いち自衛官の(超マニアックな)つぶやき一言で名前が決まるなんてのは、あの伝説の「ギャオーって鳴くからギャオスだよ!」と何も変わらない安直さに感じちゃってこれはダメダメですね!以上が「個人的残念ポイント一気出し」。


 

ところで本作は前述の通り全編自衛隊が大活躍する映画で、恐らく数ある和製怪獣映画の中でもその点では最強でしょう。自衛隊アレルギーの方にはその辺 が引っかかるようですが、実際に映画のような状況になったら怪獣と戦うのはやはり彼らでしょうから、その作戦行動を緻密に描くのはまあ当然と言ってよいと 思いますし、なにせ今回は「男性主人公が自衛官」の設定ですので、否応なく彼らがストーリーの中心に居座ることになります。


 

実はこの時点までの和製怪獣映画で、「自衛官が主役」の作品は、ありそうで意外と無いんですよね(Gフォースとか地球防衛軍等は除きますよ。リアル自衛官役ね)。科学者とか新聞記者とか宇宙パイロットとか小学生(笑)とかは多いんですがね。で、この主役設定こそが、ひょっとしたら「ガメラ2」が「稀有なほどリアル度の高い怪獣映画」として成立した、若しくは「成立せざるを得なくなった」最大の理由なのかなと思います。つまり前作でリアルな演出が高い評価につながったことに味を占めた制作サイドが、前作以上の「リアルさ」を追求するためには自衛官を主人公に据えることが早道と思いつき、それを前提で自衛隊に撮影の協力を求めたとしますね。 逆にそれを受けた自衛隊側としては過去作品以上に「自衛隊を正しく描く」事を協力の条件として求めたのではないかと推測するわけです。主人公が自衛官の映画で、いい加減な描写をされては妙な誤解を招く恐れがありますからね(公開当時は恐らく現在よりも自衛隊への風当たりは強かったと思います)。そのお互いの利害の「相乗効果」?が、「やたらとリアルな(っぽい)自衛隊作戦行動描写の大盤振る舞い」につながり、結果、お子様向け怪獣映画にへきえきとして、「大人向けの リアルな怪獣映画」に飢えていた潜在的怪獣映画ファンから益々の大喝采を得ることが出来たのではないかと思ったりします。

 
 
 

その かわり、「ファミリー向け」としてはどうなんだろう?という疑問もあります。事実、以前にもちょっと書きましたがこの映画、まだ小学生だった娘と二人で観に行った思い出の映画でもあるのですが、これ以降娘は2度と怪獣映画に付き合ってくれませんでしたし、奥さんにはこの時点ですでにNG出されてましたので・・・要はこんな男臭い、しかもややこしくて怪獣オタクっぽい映画は私たち女性(年齢問わず)の見るべきものじゃないわ!という烙印を押されたわけです。実際、封切り時点では興行収益10億円に届くかという勢いだったのに最終的には失速(8.2億円)したという事実(Wikiの記事より)が、我が家に起きた事象が一般論でもあったという事を裏付けているようです。女性&ファミリー向けとしては、つまり「一般向け娯楽作品」としては、今一つだったと言えないこともないのかなと思います。

 

 

まあ、前作は興行収入6億円、次作「ガメラ3 邪神覚醒」は7億円どまりだったのですから、それなりに大健闘と言っても良いのかもしれませんし、作品の出来を興行収入だけで計るのも確かにどうかとも思いますがね。ただ、すでにこの時点で、これだけ評価の高い作品を作ってもこの程度の収益しかあげられなかった、という事は結構厳しい現実ですね。ちなみに本作の約半年前に封切られた「ゴジラVSデストロイア」は興行収入20億だったそうで、様々なサイトやブログ記事から感じる作品的評価(出来は本作が上、という意見が多い気がします。自分的にもそう思ってます)と商売は必ずしも一致しないなというのも感じられてちょっと複雑ですね。まあゴジラとの収益差はひょっとしたら単純にネームバリューの差だけだっだのかもしれませんが、そのゴジラにしてもこの後再復活してからも慢性的な収益ダウンに陥りついに終焉を迎えるわけです。その中には金子監督の「GMK」も含まれていたわけで・・・

 

 

 

さて、長くなりましたが、「ガメラ2 レギオン襲来」は、怪獣映画ファンの間でも平成三部作のベストに上げる方が多い、傑作中の傑作である、という事に異論をはさむ気はありません。繰り返しますが本当に面白い!ただ、前作以上にとことんリアルさを追求したマニアックな怪獣映画である分、各設定が複雑すぎて、ちょっとしたアラが気になりだすとどうもね、という所はあるような気がします。「リアルさ=現実感」と「ありえない出来事」の摺合せのさじ加減が前作ほど程よく感じない。2作目というものの宿命なんでしょうかね。手抜きは論外ですが、頑張りすぎたのかな。ところが3作目はもっと頑張っちゃったんですね。という所で次回最終回に続く・・・

 

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