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2011年8月23日 (火)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第46弾 「ゴジラ2000 ミレニアム」 アメリカゴジラ&平成ガメラへの愛憎が渦巻く異色作

G2000

久しぶりの東宝特撮DVDの感想文になりました。この作品は「好き組」で、以前から録画で何度も繰り返し見ています。力の入った作品と思いますが、ゴジラ映画としてはどこか違和感のある作品だともぼんやり思ってました。独特の味はどこから?・・・

 
 

「VSデストロイア(1995)」から4年しか経っていないのですが、作風はがらりと変わっています。もちろんゴジラ自体のデザインも大幅に変更になっているのですが、それ以上に雰囲気的なところが違う。やっていることは、以前とそれほど変わっていないのですがね。ゴジラが上陸してきてひと暴れ、自衛隊(もしくは防衛軍)があれやこれやの作戦で勇敢に迎撃だ!そこに敵役の怪獣が登場、三つ巴の戦いの末、敵怪獣を倒したゴジラはどこかに去ってゆく(たまに負けや引き分けもありますが・・・)という流れに十分に乗っています。

 
 

ただ、「平成VSシリーズ」の、あの荒唐無稽な超兵器何でもあり的世界観と比べると、ずいぶんと「リアル」な、というか「リアル的(?)」な世界観を追及しているのかな、という感じをうけます。ここにはスーパーXも、メカキングギドラもメカゴジラもモゲラも出てきません。代わりにゴジラに立ち向かうのは、「フルメタルミサイル」とか「ブラストボム」といった、確かに強力だが「地味~」な兵器が出てくるばかりです。

 
 

でも、敵役の怪獣はしっかり出てきて、それも東宝特撮ではおなじみの「UFO」「宇宙人」「宇宙怪獣」の三題話そのものですから、このあたりは安心の流れともいえるのですが、登場の仕方やデザインがね、どことなくいつもの感じと違う・・・


 

なぜなのかというところですが、おそらくこの東宝ゴジラ「空白の4年間」に公開された、何本かの怪獣映画の影響を大きく受けているためだろうと考えてしまいます。もちろんそれは、「アメリカ版ゴジラ」と「金子版平成ガメラ3部作」。動物としてのリアルさを増したクラウチングスタイルの怪獣デザインはもちろん、通常兵器で立ち向かう軍隊の位置づけあたりの共通性に、非常に強くそれを感じます。敵の宇宙人も、途中妙に日本語テロップで語りかけてはきますが、基本的には「ワレワレハウチュウジンダ」みたいなコンタクトはなく、人間側は彼の行動から真意を探るのみです。この辺も、やたらと能弁なX星人的宇宙人イメージとは大きく異なり、たとえば「宇宙戦争」の異星人あたりのアメリカ映画に共通イメージを強く感じます。デザインでは、ゴジラもそうですが特に敵役の「オルガ」については、自分的には「アメゴジ」×「平成ギャオス」というアメリカナイズされたエイリアン系イメージに感じます。(ただ、凝った造形の割にはオルガって印象薄いんですよね。ましてあのタコは安易すぎ・・・)

  
 

ゴジラシリーズを再開するにあたり、関係者の皆様はどうするべきかずいぶん悩まれたと思います。その詳細は分かりませんが、出来た作品のみから推察すると、公開当時いろいろと批判的な意見も持っていただろう「アメリカゴジラ」から、「怪獣デザイン」と「リアルな戦闘コンセプト」はちゃっかりしっかり取り入れたと言えそうです。「平成ガメラ」からも同様に。
そのあたりの、リアリズムというある種の「バタ臭さ」が、「それまでの」ゴジラ映画と異なる印象を与える原因だとは、割とはっきり意識できるわけです。影響受けてるな、とね。

  
 

ただ、それ以上にこの作品を今観ると他の作品との「違和感」を強く感じてしまうのは、むしろ「その後」の作品との「乖離」によるものかもしれません。ゴジラのデザイン自体は、ミレニアムシリーズ手塚3部作に踏襲されていますし、1954年に「初代」が東京を襲い、「今の」ゴジラは「2代目」よ、という設定も、細部は変えているとはいえ「xメガギラス」「GFW」以外は共通で引き継がれています。ただ本作以外の作品でそれ以上に共通しているのは、ゴジラは「倒すべき敵」であるという視点です。「ディメンジョンタイド」だの、「機龍」だの、「平成VS」に負けないほどのビックリドッキリメカを投入してまで真剣に「ゴジラ抹殺」を目指してゆくのに対し、この作品のみが「ゴジラは生物学的に貴重な存在だから、生かして研究するべきだ」という、常識的な感覚からはちょっとどうなの?という考えをもった「一般人」(もちろん便宜上、軍の幹部と深い親交があるパターン)が主人公です。この考え方が、その後の作品群との最大の違いであり、違和感の原因とおもうわけです。

 
 

ここまで来ると、ゴジラという存在は人間にとってどうなのか、という根本的な問いかけにつながってゆくのかなと思います。ゴジラとは、もともとは「戦争や核のもたらす恐怖の実体化」であり、「人類が生み出した厄災」であったわけです。怪獣ブームのころは「人間の味方」的な位置づけの映画もありましたが、それは「子供向け」の流れの中での設定であり、平成以降は基本的に「倒すべき相手」で一貫しているとおもいます。そのなかでこの映画の主人公の主張は、やはり変わっていると言わざるをえません。もちろん、その意思があったからこそ物語の「キモ」になる「オルガナイザーG1」という「ゴジラ細胞」系の物質の発見につながるわけですし、「ゴジラは人間が創り出した怪物だ」と彼が繰り返す気持ちもわからないではありませんが、「まともな」人間の反応としては阿部寛さんの演じた片桐氏の考え方の方がよほど普通でしょう。「平成ガメラ」のように、「人間と地球の為に」創られた、守護神的な存在を擁護するのとは根本的に違うわけですから。

  
 
 

映画的には、自分はなかなかよく出来た佳作だと思います。冒頭にも書いたように、「好きな」作品です。その理由は、なかなか硬派な「リアルなゴジラ」を目指した部分への共感、というところが強いためだとおもいます。その半面、ゴジラの存在意義や位置づけに関する「違和感」や、「アメゴジ」「平成ガメラ」の影響があまりにストレートに感じられるある種の安易さなどがとても気になるところです。また、客観的には、新しいシリーズを立ち上げるにあたり、あまりにいろいろなものに気が入ってしまって、わかりにくくなってしまったのかなともおもいます。要素が多すぎて、言いたいことが多すぎて、わかりにくくなってしまったのかなともおもいます。ミレニアムシリーズが、「シリーズ」という割にはまとまりに欠けるのは、残念ですがこの作品のそんなネガ部分が出鼻をくじいてしまったためかもしれません。

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