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2011年5月 2日 (月)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第42弾 「ゴジラ × モスラ × メカゴジラ 東京SOS」 実はゴジラシリーズの真・完結編?

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実際には次作「ゴジラ ファイナルウォーズ」(2004年公開)で東宝ゴジラシリーズは完結しているのですが、シリーズというものをその初期からの一連の流れと解釈するならば、この作品の方が数段完結編らしい仕立てになっているとおもいます。甘い設定が玉にきずですが・・・

 
 

2003年12月公開のこの作品、例によって同時公開のアニメ「劇場版とっとこハム太郎ハムハムグランプリンオーロラの谷の奇跡リボンちゃん危機一髪」・・・に名前負けしたくなかったのか、ゴジラシリーズとしてはおそらく3本指に入る長い作品タイトルとなってます・・・設定は前作「ゴジラ × メカゴジラ」の完全な後日談です。したがって、前作で描かれた、1954ゴジラとその仲間たち(少なくともモスラ、ガイラ)が存在した世界、という舞台設定です。

 
 

次作「ファイナルウォーズ」は近未来のSF設定であり、ゴジラをはじめとした登場する怪獣たちの出目は特に語られていません。核戦争後の異常な環境下で同時多発的に発生した、という程度の意味づけであり、あくまでもこの作品のみの世界観とおもいます。それ以外の「平成ミレニアムシリーズ」(でいいんですかね?)では、作品ごとに少しずつ設定が異なるとはいえ、1954ゴジラの存在と実績(?)を肯定しています。とりわけ「× メカゴジラ」と本作は、1954のみならず昭和の東宝特撮怪獣映画黄金期に活躍した怪獣たちも含めた世界観というところが、古いファンにはうれしいところです。というか、うれしいはずなのですがね。

 
 

何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、と申します。もともとバラバラの設定であった当時モノの怪獣映画を無理やり一つの流れにつないだための「ほころび」が古いファンにはどうしても見えてしまい、嬉し楽しを通り越して妙な違和感を感じてしまいました。逆に若い新しいファンにとっては妙な間口の狭さを感じてしまうのではないかとも思います。そんな昔話は知らないでしょうしどうでもよいところでしょうから。要は、中途半端にマニアックすぎて、ファン層を狭めてしまったのではないかと。そのあたりがちょっと引っかかる作品です。

  
 

今回は「モスラ」が重要な役回りとなるのですが、もともとモスラは「南海の孤島の守り神」という非常にローカルな役どころであり、決して「地球の守り神」でも、「生命全般の守護者」でもありません。同様に「小美人」は本来はモスラに仕える巫女であり、決してモスラの操縦者ではありません。また、小泉博さんが本作で演じた「言語学者・中條博士」は「モスラ」(1961)での役どころでありますが、劇中ではむしろ本作「「ゴジラ × モスラ × メカ・・・」の脚本が強くリスペクトしたと思われる「モスラ対ゴジラ」(1964)で演じられた「動物学者・三浦博士」の設定がかなり混ざっているように感じられます。このあたりの混乱は、「マニア」な方からは「?」が付くところでしょうね。自分はそこまでではありませんが、一連のDVDシリーズとその付録BOOKのみの情報でも気になるところです。たとえば鱗粉攻撃が親モスラの最後の武器だという設定は、本作の想定範囲外であるはずの「モスラ対ゴジラ」(1964)が出目であり、「モスラ」(1961)には全く出てきません。本作の世界では、モスラが過去にゴジラや他の怪獣と対決したことはないので、「三浦博士」ならともかく、「中條博士」がそのことを知っているはずはないのですが・・・ 

 
 

さらにいえば、モスラがらみの部分の流れは「モスラ対ゴジラ」(1964)そのもので、懐かしいを通り越して「なんでここまで?」とおもってしまいます。小美人が危機を告げに来て、外を見るとモスラが近くの丘で羽を休めているところから始まり、親モスラの戦いぶり、双子の幼虫の誕生、物陰に隠れた攻撃方法やゴジラのしっぽに食いつくあたりなど、どこまでも「モスゴジ」です。作品全体の中にうまく取り入れていますが、ここまでそのまま取り入れた理由はなんだろうと感じてしまいます。

  
  

同様にモスラの登場の理由付けが、どう考えても理解不能です。いつの間にやら「生命の管理者」のような位置づけになったのでしょうか、それともかつて「モスラ」(1961)で描かれた、日本に図らずも与えてしまった大きな被害へのお詫びの気持ちでもあったのでしょうか?そのあたりはまるで語られず、いきなりあらわれてゴジラと戦うわけです。しかも「死者の魂に人間が触れてはならない。ゴジラの骨は海底に戻し、時の流れの中に葬らねばなりません」という難解なお説教つきで、オキシジェンデストロイヤーにより東京湾に葬られた1954ゴジラの骨を引き上げて建造したメカゴジラ3式機龍を非難しています。それならばゴジラより機龍と戦うなり、どこかへ運び去るなりするのが本当であろうなどと考えてしまいます。かわいそうな2匹目ゴジラさんは、なぜか初代の骨に強い執着があるようですが、「あの骨」さえなければ日本上陸の可能性は非常に低かったわけですし、同輩の骨のなれの果てと第三者的な立場の怪獣に2匹(というか1台と親子3匹)がかりでひどい目にあわされたうえ、糸でぐるぐる巻きにされて1万メートルの海底に葬られるいわれはなかったはずなので。

  

 

その他の設定で気になると言えば機龍オペレーターの「米国留学」で、古い人間である自分は「マジンガーZ」の最終回の兜甲児を思い出しました。どちらも全く合理的な理由はないとおもいますので、要は新作用新キャストへの更新のための「方便」ですね。昔の漫画やドラマでは、最終回に主人公が外国に行ってしまうパターンは王道だった気がしますが、そんなあまりに古典的な設定に驚いてしまいました。その前主人公・釈由美子さんは残念ながらわずかな出演シーンでしたが、その存在感は新主役の皆さんよりもあったかな。

  
 

等と設定上のギモンはいろいろありますが、怪獣映画としての出来は決して悪くないとおもいます。特にメカや戦術のディテールの描き方は良い意味のマニアックなこだわりを感じますし、主人公とメカニックのチームの信頼感あるやり取りもなかなか引き込まれます。前作にも感じた最近のロボットアニメによくあるような凝った戦闘場面のアイデアと表現もよく練られており、ぐいぐい引き込まれる質の高さを持っているとおもいます。ミリタリーアクション怪獣映画(?)的な仕上がりとも言えますかね。夕方から始まり、次の日の朝までの時間経過を意識した演出もいい感じで(前作と同じと言えばそれまでですが・・・)、ラスト近くの朝焼けの中でのシーンはとても印象的でした。

  
  

全体に前作ほどのコンパクトでシンプルなまとまり感や展開のスムーズさには欠けますが、人気怪獣「モスラ」を無理やりにからませた分のしわ寄せかもしれません。そのため前述のような世界観設定上のほころびが目立ってしまった点は気になるところですが、一方で前作以上にメカ表現や戦術面、チームワーク等の深堀もされており、これはこれでとてもよく出来た作品とおもいます。好きか嫌いかと問われれば、迷わず「好き」と答えることの出来る佳作とおもいます。また、多少のほころびがあるとはいえ、オリジナルゴジラ以降の昭和怪獣映画の歴史を取りまとめたうえで「ゴジラを葬る」という壮大なテーマをもった本作の世界観は、あまりその視点からは語られていないようですが、実は東宝ゴジラシリーズの真の総決算と自分には感じられました。そういう意味からもとても感慨深い作品です。

  
  
 

ただ、そのオマージュを強く表現すればするほど、特撮ファン、ゴジラファン以外の人にとっては入り込みにくいものになってしまうのだなと再認識させられたのも本音です。ゴジラの再度の復活、怪獣映画の復活は、そう考えると今は本当に難しい局面に来ているわけですね。

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