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2011年4月16日 (土)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第41弾 「ゴジラ × メカゴジラ」 とびっきりの男前ゴジラ映画

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テレビ放送をDVDに落として何度も見た、お気に入り系のゴジラ映画です。突っ込みどころは満載なんですが、それでも何回観ても飽きません。怪獣映画なんてどうせフィクションなんですから、素直にシンプルに「男前」で「かっこいい!」のが良いのかと。

 
 

「そもそもゴジラの骨を引き上げたことで、ゴジラを呼び寄せてしまったとしたら・・・」中尾彬さん演じる五十嵐総理のセリフですが、確かにメカゴジラ建造計画は劇中1999年に上陸した2匹目ゴジラさんの「生息確認」以前からあったと考えられ(2匹目上陸前に初代のホネを建造目的で引き上げているので)、なぜ何のために?というところに行きつくと映画自体の「骨格」がガタガタになるとおもいますね。時間軸というかニワトリタマゴの設定が大変甘いです。また、「VS」のときもそうでしたが、ゴジラの格好をしたロボットを作る科学的、戦術的必然性はまじめに考えると思いつきません。今回は特に「アブソリュート・ゼロ」という必殺兵器がありますので、あれを搭載した戦車等を数台配備すれば勝ちですのにね。

 
 

でもこれは映画ですから、そんな揚げ足はとらない方が面白い。というか、意に沿わない映画ですとそういう突っ込みどころが気になって入り込めないのですが、お気に入りの映画は逆でね。あばたもえくぼ、という事になるわけで。人間、勝手だなあとおもうところです。

 
 

じゃあどこがお気に入り?ということですが。今回改めて観て強く感じたことは、登場するキャラクターがみんな「男前」な点ですね。男前ってなにか、ということですが、まあ自分的には、いわゆる「かっこいい」系の演出で表現されている、というあたりですか。主人公はもちろん女性(釈由美子さん)ですが、彼女の演じた「家城茜」も含めて、あえて「男前だねぇ」とおもうわけで。で、お気に入りポイントは、このあたりを芯にして全体から感じる、怪獣映画の中でも群を抜いた「カッコよさ」ですかね。

  
 

セリフや演出の方向性が「かっこいい」系で非常にシンプルに統一されている感じです。絵柄的にも、今どきのアニメ的な「決め」アングルを中心に、いい感じの絵作りがされています。ラスト、機龍の肩からゴジラを見送る釈さんのカットがそれを象徴しているようです。演出にしても、高杉亘さん演じる隊長も、機龍再発進を決断するシーンの中尾彬さんも、登場人物それぞれのキャラと演技にしっかりした統一感があります。メカゴジラこと3式機龍までもが、「VS君」のような「遠巻きに吊られて浮いてるだけ」ではなく、堂々と正面から立ち向かっていく男前キャラぶりです。まあ、宅麻伸さんの狂言回しキャラはやややりすぎとは思いますが、彼も同様に「かっこいい」系だったら少し疲れたかもしれませんので、この辺が良いところかもしれません。また、しゃれっ気みたいな「男の色気」的味付けは一切割愛されていますが、あえての直球一本勝負の演出は、これはこれでありでしょう。

  
 

釈さんの演技は非常に印象的でした。失礼ながら、技術的にうまい、という感じなのかよくわからないのですが、かっこいいのは間違いありません。セリフや行動パターンは完全にロボットアニメの主人公ですね。ありがちといえばありがちで、冷静に考えればちょっと照れてしまうくらいなのですがね。ただ、全体のトーンの中で、あの怖いくらいに真剣な、カミソリのような雰囲気の演技がキャラと演出にうまくはまっていると感じています。ゴジラ映画歴代の主人公の中でも、存在感と「カッコよさ」の点ではピカイチだとおもいますね。

  
 

意外とないんですよ、ここまでシンプルに「男前」な演出をしている映画って。CGのレベルがどうとか、ぬいぐるみ候のゴジラの質感がどうとか、破たんだらけの設定とか、いろいろな厳しいご意見があるようですし、何よりも21世紀の怪獣映画として、新しいものはと言われるとね、確かにどうなんだろうなとは思います。ゴジラがどうあるべきかには、目をつぶったところもあったのかもしれません。それでも、怪獣映画の一つの在り方が、自然の驚異による大きな厄災(怪獣)に立ち向かう人々の姿を中心に据えるものならば、このようなミリタリー色の強い作品は王道でしょうし、表現としての「男前」も、追及されてしかるべき、と思います。そういう意味でも、自分としてはツボにはまって素直に楽しめたゴジラ映画です。

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