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2011年3月 5日 (土)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第38弾 「ゴジラ対ヘドラ」 あまりにも強烈な暗黒版ゴジラ!

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正直なところ、自分には手に余る作品です!どう評価したものか、書き始めてもまだ考えがまとまりません。時間をおいても、繰り返して観ても、恐らくすっきりとした答えは出ないことでしょう。それほどに強烈なインパクトを持った作品、唯一無二の作品ではあります。

  
 

評判はいろいろな記事でカンニングしていましたので、入手前からかなり期待は膨らんでおりました。いわく、ゴジラシリーズの中でもとびきり異端で個性的な、とか、社会性の高い問題作であるとか、それゆえに支持者も多いとか。ただ、70年代に入ってからの昭和ゴジラについては、子供向けイメージが強すぎて自分的評価はいまひとつというのが正直なところです。このDVDシリーズのおかげで、たとえば「ゴジラ対メカゴジラ」のように良い点もあるけどやはり子供を意識しすぎてちょっとね、大人としてはね、という気分を結果的に検証してしまったかな、と考えていました。このヘドラについても、同様の危惧を持っていたわけで。

  
 

ところが、予想の何倍も「辛口」の映画であることに非常に驚きました。というより、「ショックを受けた!」と言う方が正確だと思います。「子供向け」の立ち位置だと考えるのは間違いではないとおもうのですが、全体的に映画として表現しているものは、大人でもかなりの衝撃を受けるような、相当辛辣な世界観のようです。

  
 

映画の最大テーマは「公害」ということですが、さすがにその元凶である企業や政治家を具体的にどうこう、というところまでは踏み込みません。あくまでも「結果」として目の前にある惨状を見せつけることで、公害というものを考えさせる、というストーリー構成ではあります。しかしその公害自体のビジュアル表現と、そこから「生まれた」異形の怪獣による非常に残虐な厄災の表現は大人の目で見ても相当強烈です。主人公の男の子はたしか小学2年生位の設定とおもいましたが(素晴らしい演技です!)、観客の想定年齢も同様に「ちびっこ」向けであったとするならば、まさにトラウマ必至の恐ろしい内容だとおもいます。

  
 

ただ、当時を想い起すと、人が死ぬシーンなどは今よりは規制?が緩かった記憶もあります。TV番組でも、現代のドラマよりもっと大胆に殺人などのシーンは放送されていたようにもおもいますし、そういう意味では、これもまた70年代初頭という、第一次オイルショック前夜の「モーレツ時代」最後を飾る、混沌とした、しかしなかなかタフで「ハードボイルド(死語か?)」な時代の象徴だったのかもしれません。それにしても、円谷監督時代には(あの初代ゴジラでさえ)決して描かれなかった残虐なイメージで次々に人々が死んでゆく様は、大人の目で今観ても戦慄さえ覚える恐ろしさにあふれています。

  
 

その中でのゴジラの立ち居振る舞いは非常に人間的で、例えばウルトラマンに近い立ち位置にも感じます。ならば「ゴジラ」である必要がないのか、というと、決してそうでもないとおもうわけです。それは「ゴジラ」自体が「水爆」という人類が犯した大罪の象徴であり犠牲でもあるわけで、そのゴジラがあえて「人間の味方」「ヒーロー」を、それもいつもの作品以上に命がけで献身的に演じることが、この作品の骨格、訴えるべきテーマにとって非常に重要なのだと考えるわけです。

  
 

つまり、この映画での「ゴジラ」とは、この地球上の大自然の象徴であり、母なるガイアそのものなのではないかとおもうわけです。直接的には、地球外からの脅威に対する地球生命の免疫行動(ガメラVSレギオンのような)にも見えます。しかしそれ以上に、愚かな人間の過ちを一度は許してくれても、いつまでもそうはいかないぞという警告こそが、ラストシーンのゴジラの「にらみ」のシーンに象徴された本意なのでしょう。果たして人間は、それに気づいて過ちを正したのでしょうか?確かにあのころに比べれば日本の環境はかなり改善されたのかもしれません。少なくとも「ヘドラ」が喜びそうな、表面的な汚染については。しかし地球全体で考えれば確実に悪い方向に向かっているのは否めない事実でしょう。


例えば「隣の国」の急速な工業化に伴うかつての日本のような公害のニュースを耳にして、遅れていると笑うのは簡単ですがね。この映画を観た後では、笑っている場合ではない、他人ごとではないんだと、強く感じている自分がおりました。決して「子供向け」で終わらない、ものすごく骨太なテーマを持ったこの作品。だからこそ、あえて「子供向け」の仕立てにしたことで、逆に強烈な問題提起を感じさせる作品になったのだとおもいます。ただし、決して楽しい作品ではないですね。評価に困るのは、そのあたりが原因なのかもしれません。

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