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2011年2月 5日 (土)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第36弾 「ゴジラ VS スペースゴジラ」 何度観ても厳しいドタバタ怪獣バラエティ

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以前このブログでかなりこき下ろしてしまったこの作品、DVDどうしようか大分迷ったのですが一応買って観直してみました。残念ながら評価はくつがえらなかったというのが正直な感想です。なんて言うんですかね、どうも全体に仕上がりが荒っぽい感じなんですかね。

 
 

1994年12月、お正月映画として封切られたこの作品、観客動員数340万人と、決して悪い数字ではありません。ただ本当なら、アメリカゴジラに道を譲って、前作「ゴジラVSメカゴジラ」で一度平成ゴジラシリーズはおしまいのはずだったのが、アメリカ版の製作が遅れたおかげで急遽企画制作されたのだとか。なぜ?という気もしますが、とりあえず急ごしらえの割には内容はてんこ盛りという感じで、手抜きという感じはなくむしろ力作ともいえる気はしますが。

 
 

前作でゴジラとベビーは海に去って行ったのですが、いつのまにか南海の孤島「バース島」に住み着いておとなしく暮らしていたわけです。この辺、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」的な導入部。しかしそこにさっそくテレパシーだ血液凝固弾だあなたたちは戦うことしか興味がないのもう兄の事は忘れてなどと次から次へとうるさい人々が集まってきて、なんともまとまらない空気が流れ始めます。追い打ちをかけるように「メカゴジラ」の次は「モゲラ」なんですと。これもよくわからない設計思想のロボット型兵器ですが、そこに唐突に宇宙怪獣らしき謎の物体が宇宙ステーションを襲ったという報告が入り、ゴジラ用に開発された(つまりは陸戦兵器であるべきはずの)モゲラ君を、いきなり大気圏外のしかもアステロイドベルトまで「あっというまに」飛ばせて迎撃を試みます。

  
 

・・・まあ、この先だらだらとあらすじを書く気は毛頭ありません。言いたいのは、登場人物や各種設定がやたらと多く幅広く、それはそれでバラエティに富んでいてサービス精神にあふれているとも言えるのですが、それらを紡ぐ演出があまりにも大雑把というかエピソードの繋がりが唐突で、説明不足のせいか気持ちがついてゆけない事です。SF的にもあまりに科学的裏付けが弱いというか、少なくともそれらしく思える程度の理論レベルにもなっていないため、まったく「なるほど」と思えませんので入り込めません。

  
 

たとえば「宇宙に出たゴジラ細胞がブラックホールに吸い込まれホワイトホールから出てくるとあら不思議、強大な宇宙怪獣に早変わり」なんだそうで、TVの30分もののウルトラマンあたりならこれでも良いでしょうが、大作映画のSF設定としてはあまりにもやっつけな理論です。こういうレベルで全編押し切られた日には、ちょっと待ってくれと言いたくなるわけで。

  
 

特撮は確かに福岡のシーンは頑張っているとは思います。ただ、演出的には冗長で、今どういう状態なのか流れがつかめない感じです。ビームや爆発は派手なんですが、ダメージ的に効いているのかいないのか、それすらもよくわかりません。また、福岡戦以外の部分、たとえばアステロイドベルトでの戦闘シーンやモゲラの格納庫などは、前作までと比べてもかなりクォリティが下がった印象で残念ですね。

  
 

俳優さんたちの演技も、自分には今一つ精彩に欠けるように感じました。やはり脚本と演出、そして何よりも「編集」かなあ。「VSビオランテ」の比較的重厚な味付けでも、「VSモスラ」のさらっと軽快な味付けでも、もちろん監督の持ち味とか力量による部分は大きいのでしょうけれどね。それらよく出来たとおもっている作品は、各シーンの繋がりが滑らかで、観ていて妙なストレスを感じないという気がします。対してこの「VSスペースゴジラ」は、話の展開が唐突で、消化しきれないストレスを強く感じてしまうのかもしれません。

  
 

大変な手間暇のかかる特撮映画。本編と特撮部分を別のチームが受け持つためもあり、全体のバランス感覚をとっていくのは大変難しいのだろうなとはおもいます。それでも、結局はそのあたりのセンスと頑張りが、作品の出来を大きく左右してしまうのでしょう。凝ったネタを品数豊富にてんこ盛りにしても、全体の味付けや盛り付けに統一感がなければやはりおいしくいただけないわけで。前回の辛口レポートは体調不良の時に書きましたが、今回もどうしても辛口になってしまって、関係者の皆様には申し訳ございません。まあ実際には無理でしょうけど、この素材でもう一度編集し直したら、ものすごく良くなりそうな気はします。

 
 

平成作品のほうがいろいろな点で昭和版より優れているはずなのに、作品評価で必ずしも凌駕できないのは、単純に昭和版がノスタルジーに救われているためではなく、やはり作品としてのバランス感覚が良いものが多いためなんだと、このDVDシリーズを通じて改めて実感したところです。「キングコング」新旧でも感じましたが、結局やりすぎはだめかもね。

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