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2010年12月 9日 (木)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第32弾 「宇宙大怪獣ドゴラ」 再評価してほしい!ご機嫌な傑作アクションSF映画

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昔からずっと観てみたいとおもい続けてきた、東宝特撮怪獣映画の中でもとびきりレアでマニアックなこの作品。事前に調べた皆さんのご意見は賛否両論ですが、自分は支持派に回ることにしました。いや、本当に面白いです!ご機嫌な「アクションSF映画」ですね。

  
 

趣味趣向は人それぞれですが、着ぐるみのごっつい奴らが暴れまくる「怪獣映画」しか認めんぞ!という方にはだめでしょうねぇ。なにせタイトルが「宇宙大怪獣」ですから、事前情報なしでご覧になればそれなりのものを期待して当然で、そしておそらく見事に裏切られるわけです。

  
 

以前より気になっていてネット検索で「予習」していた自分としては、「怪獣映画としては?だが(要はほとんど「怪獣らしい」登場シーンがない!)、本編のアクションコメディとしての出来はなかなか秀逸で、トータルとして意外と評価が高い」という状況はつかんでおりました。ので、今回のディアゴスティーニさんのDVDは、まあ、それを後追いで検証して、「なるほどね!」と共感しましたおあとが宜しいようで、という所ではあるんですがね。

  
 

ただ自分的には、「なるほどね」のレベルを越えて「非常に」面白かったわけです。本多猪四郎監督の作品の中でも、間違いなくトップクラスの質の高さとおもいます。正直ビックリしましたね。この年(1964年)は、あの「モスラ対ゴジラ」と「三大怪獣 地球最大の決戦」が本作の前後に公開されており、そのどちらもが東宝特撮の「怪獣映画」としては「不朽の名作」であるわけですがね。この作品は、少なくとも同等かそれ以上に面白く、そして質的にも良く出来ているとおもいましたね。

 
 

たしかに「怪獣」としてのドゴラは印象が薄く、そこがこの作品の評価が低い最大のポイントなのですが、少し目線を変えて「SF映画」としてみれば表現云々も全然気になりません。当時の怪獣ブームとそれにより植えつけられた怪獣のイメージが、この作品の評価をゆがめてしまったのかなとおもいますね。東宝はこの時期までにゴジラやモスラだけでなく、「美女と液体人間(1958年)」などのホラー系怪人モノや、「海底軍艦」「妖星ゴラス」などの本格SF(というか空想科学系)の名作も多数輩出しており、この作品もどちらかと言えば怪獣というよりSF度が高いストーリーだとおもうのですがね。営業政策的なことがあったのでしょうけれど、そちらの路線でプロモーションしていたら、また違う評価になっていたような気もします。「たられば」ではありますがね。


 
 

とにかくテンポが良いですし、登場人物一人ひとりのキャラが非常に丁寧に描き分けられていますし、俳優さんの演技自体もみな生き生きとしていて、本当に輝いているようです。ストーリーに絡む登場人物は結構多いのですが、不思議なほどその他大勢感がないんですね。本多監督の演出作の中でも白眉の出来ではないかとおもいますし、同年のあの「モスゴジ」と比べても本編のレベルはもう一段上に感じます。

  

 

「ボンドガール」若林映子さんは次作の「三大怪獣・・・」の王女様役が東宝ファンには有名ですが、美しさといい演技といい役のはまり具合といい、自分的には本作のほうが数倍魅力的でした。東宝特撮ヒロインの中でも、抜群の存在感だったとおもいますね。そういえばこの映画のアクションシーンは本家「007」ばりの仕上がりで、「ゴールドフィンガー」あたりと比べてもそう引けを取らない感じです。当時の国際レベルと言って良いのでは?もう一人のヒロイン藤山陽子さんも、ありがちなお人形さん演技を越えたなかなかの表現力で、「下町生まれの活発さをもったお嬢さん秘書」を品格十分に演じていて素敵でした。「変なガイジン」ダン・ユマさんは歴代ガイジン俳優の中でもとびきり達者でナイスキャラでしたし、「宗方博士」役の中村伸郎さんは、ウルトラQの一の谷博士をほうふつとさせる傑作キャラでした。ギャング団(この響きも昭和的で良いですね)の皆さんも、一人ひとりいい味出てましたね。

  

 

どうも特撮の、特にドゴラ自体の表現がうまくいかず、その分本編に力を入れたのではというような解釈もあるようですが、基本的に本編と特撮は同時進行だと おもいますので、純粋に本編のレベルが非常に高いのだと考えて良いとおもいます。特撮自体も良く見れば全体的には非常にハイレベルで、これでドゴラの表現が円谷さんの思い通りに仕上がっていたら、ものすごい作品になっていたかもしれませんね。やはり「たられば」ではありますがね。とはいえ、結果的に数ある東宝特撮映画の中でも「異色作」となってしまったこの作品ですが、「怪獣映画」という縛りを一度外して、もう少しフレキシブルな立ち位置から再評価するべき作品だとおもいます。まずは東宝さん、ご自身で見直されてはいかがですか?どうせ「怪獣映画」というジャンル自体、残念ながら有名無実になっている昨今ですからね。

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 SF好きを自称している以上、東宝特撮映画はメジャーどころは高校時代まで、マニアックどころは大学時代までに見ておきたいところ。  ところが残念ながら大学卒業後かなりの時代を経た現時点でもほとんど見ていないことに気が付いた。  そもそも今生は中学3年の頃精神が…... [続きを読む]

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