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2010年12月 4日 (土)

「キング・コング(2005)」 長すぎる王道的リメイク作品は原作を越えたか?

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評論家筋にはなかなか高評価だったと公開当時聞いていた気がします。うるさがたの会社の先輩も、当時なかなか良かったよと言ってましたっけ。しばらく前にDVDを入手して、でも3時間(!)もあるとおもうと二の足を踏んでいたのですが、果して・・・

  
  

1933年のオリジナル版は素晴らしいと以前書きました。あの時代にあれだけのクオリティの特撮映画が製作されて、しかも特撮だけではなく、純粋に映画としても「名作」と言いきれる、ほとんど奇跡に近い作品だと自分は考えます。もちろん「キングコング」というキャラクター自体も秀逸で、その後さまざまな形で映画やアニメなどの作品に登場したのはご存じのとおりです。ご贔屓の東宝特撮映画や、小学校時代にさんざん観たアニメ版あたりが自分としては印象深いですね。

  
 

それらの多くは各々独自のストーリーを持っていて、コングの設定自体もバラバラです。その中で2005年に、ほぼ1933年版の設定とストーリーに忠実なリメイク版が製作されて、それがこのDVDだというわけですね。1976年にも「リメイク版」のふれこみで一度作られていますが、時代設定が現代(1976年当時)に変えられているので、ズバリとは言い難いとおもっています。TV放送で何度か観ていますがね。1933年版とは大分印象が違う気がしました。

  
  

ですからこれほどまでに原典に忠実な「リメイク」は、この2005年版が初めてでしょう。まあ、そう何度もおんなじ設定でリメイクされるほうがおかしいかもしれませんが。とはいえ、ピーター・ジャクソン監督自身がキングコングに非常に思い入れがある(1933版が映画監督を志すきっかけだったとか)こともあり、とことん力を入れまくったためか、原典(約100分)の倍近い、188分の超超大作になってしまっているわけです。

  
 

通して観てみると、ごく細部を除けば良くもここまで忠実に原典通りのストーリーを再現したな、と改めて感心しました。ではなんで倍の長さかというと、一つ一つのエピソードをやたらと肉付けしてあるためだとおもいます。なにせコングが出てくるまでに1時間くらい過ぎてしまう。そこから延々とスカルアイランドでのコング対恐竜(たち)対人間(そのほかにも怪しい生き物がいろいろ・・・)の争いが描かれ、ニューヨークに連れてこられてからも、逃げ出してから哀れビルから落下して絶命までの長い事・・・コングと主人公の心の交流など、原作と一味違う工夫は十分されていますし、何よりも現代の最高水準のCG技術を駆使した映像はそれだけで長い文章が書けるほど素晴らしいのですがね。そしてそのCGで、これでもかこれでもかと見せ場を作って、それはすごい迫力とスピード感で決して退屈はさせないのですがね。

  
 

結局うがった見方をすれば、100分ですむ話を188分かけて延々とやっているわけで、そこに気づいてしまうとなんなんかなぁとおもってしまうのですね。饒舌で話上手なんですけど同時に話がくどい人みたいな感じですかね。もっと要領よく話せないのかとイラッとしてしまう、そんな感じに近いです。

  
 

観ていておもいだしたのはこれも以前に書いた浦沢直樹先生の「PLUTO」です。原典の手塚版「鉄腕アトム 地上最大のロボット」に比べ、結局は基本的に同じ話の流れをたどるのに、ずいぶんとふくらまして長すぎる印象と感じました。シンプルな手塚版からはその行間から読み手が想像力を働かす余地があったように今にして感じるけれど、饒舌な浦沢版は、そういう「すきま」がないように感じたと書きました。それが現代的な手法なのかもしれませんが、また、優れた原作を越えなければならない場合の当然の手法なのかもしれませんが、描き込めば描き込むほどハマってしまうというジレンマを感じたわけで。

  
 

この2005年版「キング・コング」にも、同様のジレンマを強く感じます。いや、PLUTOや1976年版よりももっと「原作通り」ですので、それらに感じた以上にね。個々のシーンは素晴らしいものですし、エンタメとして十分に楽しめることは間違いありません。個人的には少々エグ過ぎるシーンも結構ありますけどね、それはインディジョーンズあたりでも言えることですし。見方を変えれば「原作より厚みを増した」とも言えるわけで、特にコングものを初めて見る若い方なら、今風な構成の2005年版のほうが自然に受け入れやすいともおもいますね。でも総合的な完成度の高さを十分に(左脳では)理解したうえで、それでもあえて(右脳的に)疑問に感じるのは、「なぜここまで原作通りのリメイク版を作らなければならなかったのか」という根本的なところです。原作の1933年版が大したことないのならわかりますがね、特撮技術史上最重要作品の一つであり、そして映画史上不朽の名作でもあるわけで、そのポジションとの「置き換え」は不可能でしょうからね。

  

  

まあ、軍事衛星が人間一人ひとりまで見分けられる21世紀の現代では、スカルアイランドの城壁の向こう側にロストワールドが存在、なんて設定は不自然なのでしょうけど、だからといって1933年当時の世相に設定するしかなかったのか、あれがベストだったのかという疑問はどうしても払拭できません。ましてやストーリーが同一なので、先がどうなるかハナから見えてますからあとはCGと演出のみで新鮮味や驚きを表現せざるを得ない「いばらの道」をあえて248億円もかけて選んだわけで。リスペクトとかトリビュートとかだけでここまでやるか?とね。もっと違う形も出来たような気はしますけど。さて、なんだか締まりのない、「長すぎる」駄文になってしまいましたかな?お後が宜しいようで・・・

 

 

さて、「ヤマト」はいかがなもんでしょうかね・・・

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