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2010年10月30日 (土)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第29弾 「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」 なかなか美味いお子様メニュー

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昭和ゴジラのお子様向け路線はあまり得意ではないのですが、この作品は「あり」だなとおもいました。リアルホラー路線とはまた違った怪獣映画のもう一つのあり方を、とてもバランス良く表現出来ている秀作だなと言ってしまいましょう。うれしい宗旨替え!

  
 

昭和41年(1966年)12月公開の正月映画。にもかかわらずいきなりの南の島だ半袖だ!と季節感の全くない設定がまず素敵なこの作品、自分はおそらく過去1回だけTV放映を観た記憶があります。印象は、それほど良くなかったと記憶しています。なんかチープでおちゃらけた、昭和ゴジラ後期の欠点がその時は目に付いたのでしょう。

 
 

今回DVDで観直してダシャレじゃありませんが見直しました。全体のテンポがとても良く、いろいろな要素のバランスが取れている。以前「モスラ対ゴジラ」で感じたような、エンタテイメントとしての質の高さをこの映画にも感じたわけです。

  
 

昭和ゴジラの中期以降、お子様重視路線の作品でどうもなじめないのが、ゴジラ氏の本来重く悲しい定めを背負ったスピリチュアルな存在であるとはとても思えない、あの妙に擬人化された軽薄な(失礼!)立ち居振る舞いです。自分的には東宝怪獣映画ではリアルホラー系が好きなのでね。この作品でも、(加山雄三さんばりに)鼻はこするは、ヘッディングはするは、居眠りはするはとやりたい放題。本来なら耐えられないところなんですがね。

  
 

なぜか不思議と腹が立たない。とても素直にそれを受け入れている自分に、少々ビックリしているのが本音です。なぜだろうということなんですがね。たとえば「ゴジラ対メカゴジラ」あたりでは、ドラマ自体は「キーハンター」か「Gメン75」みたいに妙にシリアスで、ゴジラの小芝居は完全に浮いている感じがしました。怪獣プロレスのシーンでも、メカゴジラのやたらと残虐な攻撃と、ゴジラのコミカルな動きがどこかかみ合わない。ところがこの映画では、本編ドラマ自体がシリアスとコミカルのはざまの絶妙なノリなんですが、怪獣たちの行動もちょうど同じくらいの感覚で表現されている。たとえば、前述のようなコミカルな行動がある半面、怪獣同士でお話しするような漫画的表現までは出てきません。「きちんと」戦っていますが、必要以上に残虐な攻撃はしかけません。そういう全体のバランス感とある種の品格ともいえるものが、自分にはこの映画全体から感じられる気がして。おそらくそれがために、予想以上にポジティブにとらえることが出来ているのかなとおもいます。


  

今回DVD付属のブックで初めて知りましたが、この作品はもともとキングコング様用に企画されていたのを、アメリカの版元と折り合いがつかず主役をゴジラに差し替えて実現したものだそうで(コング版は、改めて「キングコングの逆襲」として制作されました)、前述のゴジラの人間的な行動は、本来コングが行うはずだったといわれると納得がいきます。


 

ついでに言えば、怪獣たちの行動(会話なし、残虐なし等)や、敵組織の雰囲気(営利集団である点、どこか抜けている点など)も、後の「キングコングの逆襲」に通じるものがある気がします。アメリカ市場を意識したちょっと洒落たセンスが、結果的にこの映画に生きているのかもしれません。もっといえば、この「キングコング的要素」をいれたゴジラのキャラクター設定が当時のお子様方に絶大な支持を得たと言えるとおもいます(なにせ観客動員数421万人!)。自分は公開当時劇場にこそ行ってませんが、少年誌などの宣伝で印象の強かったこの作品、とても観たかった映画だったと記憶しています。

 
 

ゴジラを劇場で初めて観たのは翌年の「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」でした。「怪獣総進撃」も観に行きました。「ゴジラ(1954)」を最初にTVで観たのがいつかは覚えていませんが、おそらくシリアスな初代より「ミニラの親父」的キャラとデザインのゴジラのほうが先に刷り込まれていた、いわば自分にとっての「オリジンゴジラ」であったのは間違いないとおもいます。本作はそれらの漫画的?ゴジラ像とは似ているようで実は微妙に違っていると感じます。その違いのポイントこそ「キングコング味」のおおらかなキャラ設定と本編の味付けの絶妙なバランスであり、それこそが本作の成功要因であったと同時に、その後の作品ではやや漫画チックに振りすぎたゴジラと本編のバランスが徐々に崩れていったのかな、とおもいます。今後発売されるDVDで確認したいですね。少なくともメカゴジラ2作は、正直どうかな?というところもありました。この作品ほどの絶妙なバランス感覚がこの後のゴジラ映画で表現できたかというと、どうなのかなという気はします。

 

 

全編軽快なテンポとタッチで楽しさにあふれたこの作品、出演者の皆さんの演技も、どことなくこの映画を楽しんで演じているようにも感じました。その印象は、不思議とゴジラやモスラの演技(?)からも感じるところがあって、そういう全体から受ける明るくポジティブな印象が、この映画の優れた個性になっているとおもいます。「明るい怪獣映画」もいいもんだな、となぜか儲けた気分になった素敵な作品でした。

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