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2010年10月16日 (土)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第28弾 「ゴジラ vs キングギドラ」 映画の観方を再考させられる不思議作

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何回観ても、コマッタチャンな作品です。気にするまいとおもっても、つい、タイムパラドックスという難物について考えてしまいます。作品の本旨はそんな議論ではなくて、ご家族向け怪獣映画エンタテイメントの平成版としての出来を楽しむべきなんでしょうけど・・・あ、頭が・・・

  
 

この作品は大人向けを標榜した「ゴジラ1984」と「ゴジラvsビオランテ」よりも更に大きなヒットを狙い、ターゲットをご家族向けに振ったそうです。そういう意味では、昭和ゴジラの中期以降の路線に近づいたと言えるのですかね。さすがにシェーまではしませんが、本作以降SF要素が濃くなって、設定が荒唐無稽な内容にシフトしてゆきます。特にこの平成VSシリーズでは、本作で得た「23世紀の技術」が次作以降の「ビックリドッキリメカ」づくりの理由づけにされていますので、もうなんでもありになってゆくわけで。

  
  

なのでね、「ご家族向け」で「SF仕立て」なら、まあドラえもんやアンパンマンと大差ないようなもので、タイムマシンだ未来人だなんてお約束ネタを、いちいち突っ込むべきではないのでしょうね。作り手側としては、「バラエティ感覚」で臨んでいたのでしょうから、家族みんなで明るく楽しく観てもらえばそれでOKだったのでしょう。

  
 

でも、昭和ゴジラの頃ならともかくも、平成のこの時期になると子供さんも含めて、なかなかそうは問屋が卸さないぞ!ということになってしまっていて、そのしわ寄せが、この映画については「タイムパラドックス問題」に集約されたのだろうとおもいます。イメージだけのSFごっこでは許してもらえなくなっていたわけで、このあたりに作り手側と受け手側の意識のずれがあったのかもしれませんね。


 

そもそも、というか恐らくですが、作り手側に「タイムパラドックス」についてそれほど突っ込んだ設定をしようとした様子がありませんので、客観的 にみれば、あれこれ考えるだけ無駄ですよ、正解なんてないですよ、というのが「正解」なんだろうなとおもいます。さらに言えば、それでは無責任じゃないか とおもうわけですが、そんな意識すら作り手側にはなかったんだろうなと。悪気がないんですよね。まったくね。だって、こんな複雑な問題をまともに取り合ったら、難解すぎて「ご家族向け娯楽映画」どころじゃなくなっちゃうでしょうからね。 

 

 

さてその「タイムパラドックス問題」ですが、本来はあらすじから順を追って、結構詳しく説明する必要があります。しかしそれがこのブログの趣旨ではありませんので、詳しく知りたい方は「ゴジラVSキングギドラ 矛盾」などでググってみてください。熱い「研究結果(?)」が、たくさん出てきます。皆さんのご意見、なるほどとおもいますが、このツッコミ自体がファンの間ではむしろこの作品の楽しみ方として定着しているようですのでね。ちょっと乗っかっても、バチは当たらないでしょう。  


 

なので、一応基本的な問題点はご存じだという前提で、拙いながら自論を述べてみます。まず映画をぼうっと観ていると、戦時中にラゴス島にいた「ゴジラザウルス」が、あたかも被爆後初代「ゴジラ1954」に変身したように感じられますが、良く考えると本作の世界での「ゴジラ」は「ゴジラ1984」でなぜか突然出現した2代目(昭和版の「逆ゴジ」さんはここでは無視です!)さんで、「1954」さんは映画同様オキシジェンデストロイヤで死んでいることになってます。ということは、未来人がラゴス島からベーリング海にテレポートした「ゴジラザウルス」が変身したゴジラ氏は本作の設定の1991年ごろ(これも平成シリーズの映画内での時間軸からすると厳密にはおかしいのですが・・・)に猛威をふるっていたわけですから、初代「1954」氏とは別ゴジ「1984」さんだということになります。この初代の素性は、本作ではまったく語られていない(はず)、ということを確認しておく必要がありますね。「ゴジラザウルス」かどうかも不明です。とはいえ、「怪獣ゴジラ」になった段階で「同種」と考えられていることには違いありませんので、本作の設定をリスペクトするなら、「ゴジラ」一族とは、「ゴジラザウルスもしくはその亜種」が、「原水爆、もしくはそれ相当の強烈な放射能を浴びて同様の性質に突然変異をした一群」ということになります。ゴジラ製造法というわけですね。

 
 

で、「2代目氏」つまり「1984氏」に話を絞ると、戦時中にラゴス島で虫の息になり10年過ごした後水爆実験で(おそらく)初代氏と同時に被爆して突然変異し、30年ほどどこかでブラブラした後に突然大黒島近辺で人間界に姿を現し、東京を一周したのち三原山をわざわざ登頂して溶岩の中に落ち、しばらくして噴火(爆破)に乗じて解放されると芦ノ湖で水浴びをした後大阪で毒を飲まされ敦賀でご自分の細胞の分身と一戦を交え、弱って日本海で寝ていたところでこのお話、というわけですね。ここまでは何の問題もない、かどうかは分かりませんが、まあ設定として理解の範囲内かなと思うわけです。

  
 

ここで未来人によって、戦時中のラゴス島の段階つまり「被爆~突然変異前の段階」でベーリング海に転送されたので、「1984ゴジラ」としての人生(?)が消えちゃったわけですから、本来でしたら1984年の東京上陸以降の日本いじめはなかったわけです。1954年の初代氏の起こした災害は、高度成長の波の中で吸収されてしまったとして、1954年以降、ゴジラによる災害は日本にはおきていないはずです。



ところがこの「転送後」の時点で、主人公始め1991年当時の日本の人々は「1984」ゴジラのことを各地の災害の爪痕とともに「記憶」しているわけですから、「1984」ゴジラの存在自体がチャラに なったわけではなく、ただ単に目の前からいなくなったにすぎません。で、ここのところがこの作品でタイムパラドックスと言われて説明がつかない、問題の部分だとおもいます。「災害の爪痕と記憶」があることがね。

 

 

でも実はタイムパラドックスと言えるのはこの点だけだとおもいます。設定上のミスには違いないのでしょうが、後で書きますがベーリング海の件もギドラ出現の件も全てタイムパラドックス問題でひとくくりにされているのは自分はおかしいとおもいます。つまり、一見タイムパラドックスのせいでストーリーに無理があるように見えますが、実はそのためだけではなく、もっと全体的にSFとしての設定がかなり甘いための誤解部分があるとおもいます。まあもっとも実際に時間旅行や歴史の操作を行ったらどうなるかなんて、本当のところはだれにもわからないことですので。どういう話にすれば正解なのか(しかも面白いのか)は難しいところなんでしょうけどね。

 

 

いずれにしてもラゴスのゴジラザウルスは、結局どこに行っても被爆する運命?というか、被爆の場所が1954年のラゴス島か 1991年のベーリング海かの違いがあるだけで、結果的に(身長やディテールの差はあるものの、)ゴジラ製造法には何の変更もなく、おんなじ「2代目ゴジラ」になったわけです。このこと自体は「被爆」の場所とタイミングが変わっただけで、タイムパラドックスとは関係ないとおもいます。ひん死の恐竜が時空間を移動しただけですのでね。あくまでも被爆は「偶然」なので。ところでよくベーリング海ゴジラを「平成3代目」という方もいらっしゃるようですが、そういうわけで結局同一 人物(?)なので、自分は「2代目」のままだよ、と規定しております。

  
 

一方未来人は戦時中のラゴス島にドラッドちゃん3匹を残してきて10年ほかっておいて、1954年の水爆実験でこれも突然変異でキングギドラを生み出しておきながら、なぜか1991年の来日(?)時まで暴れることをさせていません。どこかに隠していたんですかね。で、タイムワープでラゴス島での仕込み作業終了後1991年に戻ってきたと同時に、どこからともなく成長したキングギドラを日本に連れてきて暴れさせたともおもえます。そう考えれば、ギドラのこと自体もタイムパラドックス問題にはまったく関係ないといえますね。30年もどこかに隠しておいて(?)このとき初めて連れ出してコントロールを開始した(?)とか、3匹が(目論見どおり)水爆一発で一体化(さらに巨大化)したとか、設定がきわめて「不自然(いいかげん?)」なだけです。

 

その他にも、確かにツッコミどころ満載であることに異論はありません。ところで、個人的なおもいですが、「キングギドラ」はやはり悪役宇宙怪獣であってほしかったです。「GMK」でも書きましたが、もともとの設定をその時のご都合でころころ変えるのはどうかと思います。

 


でもまあ、始めに書いたように、あまりにもあれこれリアル目線でつっこむべきタイプの映画ではないとおもいますので、ここまでにしておきます。作品全体の感想としては、特撮の粗が目立つ気はしますが、演出のテンポは良い感じで、けっこう楽しめるレベルだとおもいます。外人組のへたくそな日本語には閉口ですがね。けっして嫌いな作品ではありません。女性が単身乗り込んで操縦するパターンは「釈ゴジ機龍」の先駆けですし、平成シリーズの中でもイケてるほうとおもいますよ!なのでね、細かい設定の矛盾探しなんかより素直に楽しみましょうよ。映画はね、面白いところを素直に楽しんだほうが、絶対人生HAPPYですよ!ツッコミはあくまでもオマケのお楽しみということで・・・

*2010/12/1 特にタイムパラドックスの説明を中心に加筆修正しました。読み返して分かりにくかったもので・・・

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