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2010年9月17日 (金)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第26弾 「キングコングの逆襲」 怪獣は顔が命です?

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小学生のころ、「雑誌などで知ってはいたのですが見たことがなかった」作品の1本でした。キングコングといえばアニメ版というくらい、子供のころはそちらのイメージが強かったわけです。なので自分的にはこの作品はアニメの「実写版」という位置づけだったような。

  
 

DVD付属のブックによると、実際、けっこうアニメとタイアップ的な位置づけだったようです。「メカニコング」や「ゴロザウルス」も、原典はオリジナルの映画版(1933年)やアニメからのアイデアといえるようです。とはいえ、それらの「実写版」キャラクターは、当時アニメ版以上に気になる存在でもありました。ただ、見逃していたのかどうかはわかりませんが、テレビ放映された記憶が全くない作品です。なので、今回のDVDを結構楽しみにしていました。

 
 

感想としては、う~ん、まあまあ、という感じかな。正直、これはすごい!傑作だ!とまではね、残念ながら感じませんでしたが、特撮のセットやミニチュアのレベルと出来についてはかなりのものだと感心しましたし、俳優さん方の熱演も、これもなかなか好印象でしたね。ストーリー自体はまあ、あまりにも「キングコング」なお話ですのでこんなところかなという感じですが、「悪い事するにもお金が掛かる」という設定が適度にコミカルな味を全編に持たせていて、気楽に楽しめる娯楽作品として良くまとまっていると思いました。

 
 

特撮セットについては、モンド島の海岸線あたりとか、北極のドクターフーの基地も良くできていましたが、何といっても「東京タワー」に尽きますね。いったい何メーターあるんだよ、といった、巨大かつ精密なセットで、これだけでもこの映画を観る価値があるのではないかといいたくなるような素晴らしいものだと思います。その周辺の建物などの作りこみもすごく、また広大な感じですね。シチュエーション的には「モスラ」(1961)に近いのですが、怪獣の身長設定が小さめ(身長20m程度)のため、相対的に建物が巨大になるわけで、なんでも実際に鉄骨を溶接して「建てた」のだとか。シーンごとに部分的に何種類か作られたそうです。

 

また、ブックで川北特技監督の説明がありましたが、画面の合成処理を特殊な方法で行ったとのことで、確かに境目のブルー色のはみ出しがなく、とても自然な仕上がりになっていました。相当手間がかかり、本作のみの採用だったそうで、こんなところにも力の入り方を感じます。

  
 

ミニチュアについてもとても良い仕事がなされていたようにおもいます。潜水艦「エクスプロアー号」はかなりの大きさですし、非常に丁寧に作られていたようです。ホバークラフトや戦車なども、重量感がなかなか適切で、程よい感じのリアルさが表現されているとおもいます。全体にミニチュアもセットも「清潔感」のようなものを感じるのですが、それはおそらく細部まで手を抜かず丁寧な仕事をされているのが画面を通じて伝わってくるためではないかとおもいます。

  
 

俳優陣では、まずやはり浜美枝さんは素敵でしたね。007をほうふつとさせる、ミステリアスな工作員を見事に演じられていました。あの華やかさ、オーラは、独特のものがありますね。「絶叫女優」ポジションはリンダ・ミラーさんというアメリカの方でしたが、とても日本人受けしそうなキュート系の美女で、これまた大変魅力的でした。ドクター・フー役の天本英世さんはやっぱりかっこいい!悪い奴のくせにどこか憎めない、絶妙のキャラクターをうまく表現していました。お子様も観る映画ですので、このあたりの役作りが見事でしたね。

  
 

こう書いてくると素晴らしい傑作か?というところなんですが、どうもスッキリといかない感じだったのが、「キングコング」の造形です。特に顔ね。よくアップになるんですが、作り物ソウロウで、あまりに嘘っぽい。これでは全く感情移入できません・・・ゴロザウルス君は非常によくできていて、彼については文句ないのですが、あまりにも簡単にやられてしまうし。メカニコング君はデザインはまずまずですが、質感がやわらかそうで、どうもロボット感が不足していて、こちらももう一つ入り込めませんでした。

 
 

芝居についても、スーツアクターの皆さん頑張っているのですが、どうも当時のゴジラ系よりもさらに、「着ぐるみ感」の強い動きに感じてしまいました。この点については、マペットアニメであった初代「キングコング」(1933)に、残念ながらまったく追いつけていません。「ゴジラ」(1954)では着ぐるみでそれを越えたと思っていたのですが、今回のケースでは逆の印象ですね。あまりにも人間ぽい。特にメカニコングの演出は、「ロボット的な動き」の追求があまりなされていない感じでしたね。まあ、「ロボコップ」以前の作品ではありますが・・・この後の「メカゴジラ」はかなりロボット的な動きを研究していたように感じましたので、この映画の経験が生かされたのかな。

  
 

というわけで、かなり力の入った感のあるこの作品、お膳立ては申し分ないのですが、肝心の、肝心の主人公がどうもぱっとしません・・・演技もそうですが、アニメ版ほど柔和でもなく、本家ほどリアルでもなく、ただただ中途半端なその顔の、造形センスとつくりの悪さがかなり全体の魅力をスポイルしているように自分には感じました。「キンゴジ」のときも顔のデザインでアメリカ側とかなりもめたそうですがね。今ならラテックス系などで、やたらとリアルな造形が可能でしょうけど、そういうこと以前に顔のイメージについて強い自信が持てなかったのかなとおもいます。

  
  

とはいえ昭和42年(1967)作品と考えれば、また、当時の「キングコング」ブームで好意的な観客の反応を考えれば、力の入った特撮と優れた俳優陣の演技などにより、まずまずの評価を得られただけのクオリティはある作品だと思います。当時観ることのできなかった、そして今日まで観ることのできなかったこの作品、今の感想は、決して損した気分ではありませんよ。独特の位置づけですが、当時としてはなかなか優れた娯楽作品だったと思います。

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