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2010年6月23日 (水)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第20弾 「ゴジラ(1984)」 スーパーXがあればいい?

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当時映画館まで足を運んだんですよ、大いに期待してね。そのときも、DVDを観なおした今も、なんともモヤモヤした気分で・・・なにかまとまりが無いというか、すっきりしない映画なんですね。ただ、「スーパーX」の活躍だけは鮮烈な印象が残ってます!男の中の男だぜ!

  
  

機は熟した、というか、タイミング的には最高だったとおもいますね。ゴジラ復活のね。こちらはすでに社会人になっていて、スター・ウォーズをはじめとするハリウッドのSF大作にも慣れて目は肥えているつもり。子供だましじゃ許さんぞ!というところですがそこはご贔屓筋。原点に返った大人向けの怖いゴジラ復活!というふれ込みに、けっこう期待して観に行ったわけです。

  
 

で、確かにお金と手間をかけて、非常に力の入った作品だ、というのはひしひしと伝わってきました。当時は洋画全盛だったとおもいます。そういう中で、凝りに凝った巨大な東京の特撮セットを見ただけでも邦画でもここまで出来るんだ!という気概を感じることが出来ました!CG前夜の特撮モノとしては、最高水準の一つでしょうね。例によってミニチュアの重量感の表現だけは、東宝の悪しき伝統で甘いところがありますが、まあ、ご愛嬌かな。

  
  

ですが、状況設定とストーリー展開が甘い感じで、ドラマとしてもう一つ引き込まれません。凝ってはいるんですよ。米ソ冷戦の真っ只中、かなりシリアスな政治的駆け引きが繰り広げられ、それなりの迫力はあります。ですがそれを除くと、2匹目ゴジラ出現の理由付けも、帰巣本能を利用して火山に落とすという妙な誘導作戦も、それに絡む主人公たちの人間ドラマも、何かもう一つ必然性が無いというか、納得できない甘さがあります。


  

一つには、演出かな、とおもいます。本編演出はよく言えば重厚なんでしょうが、自分にはどうにも歯切れが悪く、リズム感にかけている印象があります。本多猪四郎監督のあの小じゃれてすっきりした演出に比べると、無駄が多いというか、俳優の皆さん小芝居しすぎて、かえってうそ臭い、と言ったら言いすぎでしょうか・・・特に武田鉄矢さん、なんですかねあれ・・・

  
 

本編に輪をかけて、特撮もね。特にカメラワークがいま一つですね。時々いい画はあるんですが、全体にせっかくの見事な巨大セットを生かせていない感じです。ゴジラが新幹線を持ち上げるあたりとか、有楽町から副都心を蹂躙するあたりの歩き方や壊し方、それを映すカメラの位置など、何でこうなるの?と言いたくなるような、残念な印象にあふれてますね・・・1954年の第1作にまったく勝てていません。

  
  

ゴジラ自体のデザインも、確かにお子様アイドル時代よりは数段まともなのですが、まだなにか吹っ切れてない、という感じで、これもすっきりしません。目を吊り上げれば怖い、とおもっていたのでしょうかね、当時のセンスでは。10年後のガメラでも、やっぱり同様のミスをしています。このゴジラ君、おめめパッチリのおかげでにらまれても全然怖くないので、まったく感情移入ができません。動きもまだどことなくアイドル時代の「軽さ」が残っていて、これもいただけない・・・

  
  

そんな中で唯一の救いが、「首都防衛戦闘機 スーパーX」の活躍です!最初劇場で予備知識なしに見たときは、うわー、なんて安易な名前なんだ!と引いてしまったのですが、戦闘シーンを見て評価は激変!「かっこえ~!」印象は、昔も今も変わりませんでした。照明弾を囮にカドミウム弾を咽喉に打ち込む冷徹で頭脳的な作戦や、不利とわかっていても「かまわん!離陸!」と最後まで果敢に立ち向かう姿と衝撃的な最後に、男の美学を感じてしまうのは私だけでしょうか?デザイン的にはオヨヨな見方もできますが、この戦いぶりを見てしまうと、数ある東宝系スーパーメカの中でも上位に位置するカッコよさに見えてくるから不思議です!

  
  
  

実は今回DVDを観るまでは、自分の中でかなり期待が高まっていたんですね、この「ゴジラ1984」。もう一つ評価が高くない印象の本作ですが、いやいやそんな事はありませんよ、実は今観るときっと素晴らしい作品なんですこれを機会に再評価!とね。それもこれも、スーパーXの記憶によるところが大きかったわけです。で、今おもう事は、確かにスーパーXはカッコよかったです!以上、終わり・・・ではあまりにも失礼ですかね。最高の作品になるはずだったんですよ、きっと。映画としての完成度をえらそうに評価すると厳しくなってしまいますが、心情的にはね、やはりとっても気になる一本です。

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