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2010年2月17日 (水)

「東宝特撮映画DVDコレクション」第11弾 「サンダ対ガイラ」 東宝屈指のホラー系エンタメの大傑作!

100216toho1怪獣映画は本来はホラー映画たるべきだ、とすれば、この作品は最右翼に位置すると言って過言ではないとおもいます。へたに子供に見せるとトラウマになりかねない、稀有な「リアル恐怖系怪獣映画」ですね。マジで怖いぜ!

 

 

  
   
1966年(昭和41年)公開の「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」という、まじめに言うとやたら長ったらしいタイトルのこの映画、「東宝フランケンシュタインシリーズ」?の2作目、ということです。VHSを持っていて、何度も観ています。ところが第1作目の「フランケンシュタイン対地底怪獣」は、一度TVで観たはずなのですがほとんど覚えていません・・・なのでどうもね、基本的な設定(そもそもフランケンて何?以前何があったの?)が、よく分かっていません。この辺はDVDが出るまでのお楽しみ、とりあえずWikiでも見ておくとして、そんな事情がわかってなくても、十分に楽しめる本当によく出来た作品です。


東宝怪獣映画というと、ゴジラがシェーしたりね、間抜けづらの息子が出てきたりして、どうもオチャラケお子様路線の印象が強いのですが、とはいえ例えば昭和ガメラシリーズに比べると、衣の下から鎧が、という感じで、本当は大人向けの本格リアル系をやりたいんだよう!というスタッフ側の本音が垣間見えるいじらしい作品が多いようです。

  

ところがこの作品は、もうまさに直球勝負、しかも剛速球ど真ん中で、リアルでホラーな大人向け怪獣映画とはこういうものぞ、というところを見せてくれました。知る限り、この後、これほどまでに怖い系の怪獣映画は、東宝では作っていないとおもいます。

  

とにかく怪獣のデザイン(特にガイラ)がまず怖いです。第1作のフランケンとは段違いの迫力。成田亨さんのデザインによるこのおぞましいクリーチャーは、恐らく東宝特撮でもマタンゴと双璧の怖さでしょう。しかも食人鬼という設定だ!特に前半はその手のシーンが多いですが、中でも嵐の海を必死に泳いで逃げる船員をガイラが追いかけるカットは、もう悪魔そのものです!ただ、だからといって善玉設定のサンダ君は怖くないかというとさにあらず、負けないくらいオドロオドロシイのですから感情移入のしようもなく、やりすぎにも困ったものです。

  
  

特撮について言えば、これも東宝作品屈指のクオリティです。夜のシーンの多さにも助けられて、ほとんどアラを感じません。怪獣の設定が小ぶりな分、ミニチュアセットのスケールが大きいのも、リアルで迫力ある絵作りに貢献していますね。特筆すべきは中盤の主戦場となる山林や山村のセットのスケールと精密さです。有名な「L作戦」のシーンをはじめ、通常なら「鉄道模型のレイアウトの大きいやつ」程度の作りこみなのが、この作品の場合はほとんど市街地と変わらないほどの密度感を持っています。また、追われたガイラが海に逃れるカットの漁村のオープンセットも、気を抜いて観ていると実景かとおもってしまうほどの質の高いものです。しかもこの短いワンシーンだけのため、という贅沢さです。

    

もちろん、白眉は「L作戦」のメーサー車のシーンで、メーサー光線が樹をなぎ倒しながら執拗にガイラを狙い続けるあの場面は、何度見ても本当に素晴らしいとおもいます。また2台のメーサー車のパラボラが、それぞれまるで蛇の頭のように滑らかに動きながら断続的に発光する芸の細かさも見事で、たぶん当時世界最高峰の高度な表現だったろうとおもいます。とにかくメーサー車、大好きなメカでして、このブログでも3回ほど昔組み立てたWAVEさんのプラモデルを紹介してますが、この戦闘シーンだけでもご飯を五杯はおかわりできますね。      

   

逆にメーサー車と自衛隊の活躍が目立ちすぎるために、後半はホラー度が大分落ちてしまうのが惜しいかな。また、良くも悪くも人型怪獣対決ですのでまさに「真・怪獣プロレス」となるわけですが、東京のビル街や港のセットがこれまたよく出来ているおかげで、迫力と緊迫感を最後まで十分に保っているところがたいしたものです。ラストはね、どうかな?とやはりおもってしまいますが、「不死身」の設定をしてしまうと、こうでもしないと倒しようが無くなってしまうのでしょうね。



リアルな状況設定と最高の特撮技術、恐怖感あふれる造形と演出、そして人知を結集したスーパーメカの活躍・・・自分にとっての「怪獣映画のあるべき姿」がすべてそろった快作であると再確認できました。「小さき勇者たち ガメラ」のようなまじめな子供向け映画も良いですが、こんな本格大人向け怪獣映画の新作を是非早く観たいですね・・・みたいな事をもう何度も書いてますねぇ・・・どなたか何とかしてください!

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コメント

はじめまして。
夏休みにサンダ対ガイラのDVDを見ようと思って、検索したらこちらのブログを発見しました。もちろんこの映画のDVDは手に入れて楽しみました。
ブログのプログレとガメラに興味を持ったので他のコメントもいろいろ拝見しました。
で、川本真琴を今まで知らなかったので早速CDを手に入れて彼女の才能に驚きました!
教えていただいてありがとうございます。
この夏は川本真琴の毎日です。

atomさん、はじめまして、ブログ主宰者です。

つたない記事ですが随分読んでいただいたようで、本当にありがとうございました!いくらかはお役に立てたでしょうか。

東宝特撮もガメラもプログレもそして川本真琴さんも、気がついたらずいぶん長い間のお付き合いになってしまいました。特に川本さんの才能と生き方には、とても強く引かれるものがありますのでね。このブログがきっかけで聴いていただけたなら、とても嬉しい限りです。

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