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2009年8月10日 (月)

ピンクフロイド「原子心母」 無意味なことの意味

090810pf1ピンクフロイド「原子心母(ATOM HEART  MOTHER :1970年発表)」については、ウイキを始め、さまざまな形で語りつくされていますねぇ。もちろん名盤中の名盤のひとつ、という評価ですし、個人的にも大好きです。ただ、タイトルとジャケットデザインのもつ意味については、どう理解していいか長い間わからなかったんですね。

 

ところが、実は意味らしい意味などないということらしいじゃないですか。「ATOM HEART MOTHER」というタイトルは、もともと無題で作曲・演奏していた曲を、正規リリースする段になって「タイトルつけないとまずかっぺ?」となり、新聞記事から適当なものはないかと探したら、「原子力ペースメーカーを心臓に埋め込んだ妊婦」の記事が目に止まり(このころ確かに、この手の手術が流行ったようです。ちなみに原子力の正体は、プルトニュウム電池)、「これじゃ!」とひらめいたのが「ATOM(原子力の)HEART(心臓を持つ)MOTHER(母親)」となったとさ、ということだそうですね。PFファンなら今ならみんな知ってますね。

  

さらに日本発売にあたり、「邦題つけないとまずかっぺ?」ということで、「原子(ATOM)心(HEART)母(MOTHER)」という、20世紀最強の「直訳」タイトルをつけたとさ、ということも今ならご存知ですよね。

 

そういうネタは、ひょっとして当時でも音楽雑誌などをかたっぱしから読んでいたら出ていたのかもしれませんが、ネットのない時代、そんなカルトな情報はどこにも転がっていたわけではありませんので、ついつい深い意味があるに違いない!とおもいこんでいたものです。ましてや、あのジャケットアートです。

 

曲調はクラッシック色が色濃く、というよりロックと呼べるのか?ぐらいにクラッシックに近い立ち位置ですね。センチメンタルかつロマンチックな主題をさまざまに変奏しながらクライマックスに向け盛り上げてゆく構成は、カテゴリーを越えて、作品として見事とおもいます。ピンクフロイドの曲としては後にも先にも異例なほどのこの徹底したクラッシック路線は、それだけに惚れこんでしまうと代わりがない、唯一無二の曲になってゆくわけで。

 

で、その曲の意味するものとジャケットアートのそれとタイトルが、どう関係しているのかいろいろ悩みながらも結論は出ず、まあ、「生命の神秘」とか「文明への警鐘」とか、そのたぐいなのだろうな、ということでなんとなく納得はしていました、が。

 

「深い意味などなーんもない」ということが最近ネットで調べてわかったときは少々がっかりで・・・タイトルは前述の通りのいいかげんさですし、曲もあれこれやっているうちにやたらとたいそうなモノにふくれ上がってしまった結果でしかなく、ジャケットにいたっては、「出来るだけ意味のないものを」がコンセプトだったという説もあるくらいで・・・まあ、「やられた!」としか言いようのない結果です。

 

でも、いいじゃないですか。それはそれで一つの見識とおもうし、なにか思想めいたものがなければ「名作」と呼べないわけではない。クイズではないのだから、決まった答えを探すことより、自分なりの解釈で楽しむことこそが大事なんでしょう。こういうのってよく言われることではあるんですが、つい忘れて「正解探し」をしてしまう。あらためて、肝に銘じておくよい機会にしたいですね。


 

090810pf2 で、今年は丑年ということで我が家のネコ2匹を刺客に、ヒプノシスに挑戦を挑んでみたのですがね・・・ネコはともかく、原子心母のジャケットを丑年の年賀状に使うアイデア自体はあまりにもベタなようで。ググると「原子心母 年賀状」でカテゴリー表示されちゃいまして、大反省です・・・

  
 

「独自のアイデア」ってのは、むずかしいですね・・・

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